マイホームの購入に際し住宅ローンを利用される方が多いと思います。住宅ローンの利用に当たっては、月々の返済をいくらにするのか、頭金はどれくらい用意したら良いのかなど色々と検討することがあると思いますが、そもそも借入額や返済額に目安といったものがあるのでしょうか。
年収からみる借入額の目安は?
マイホームの購入に当たり借入額の上限の目安として、年収の5倍ということがよくいわれます。この5倍という数字ですが、実際のところはどうなのでしょうか。
年収の5倍ということになると、年収500万円であれば2,500万円までの借入が目安ということになります。しかし、年収の何倍という考え方では返済期間という概念が入っていません。住宅ローンの借入において借入額も重要ですが、毎月の返済額が更に重要です。
例えば2,500万円を3%の金利で借り入れた場合に、15年と30年を返済期間とした場合の月当たりの返済額は、15年では約17万円、30年では約11万円となります。
15年では年間の返済額は200万円を超えることとなり、500万円の年収から考えると返済は厳しいことから、単純に年収から借入額を決定することは危険だと分かります。
返済額からみる借入額の目安は?
月々の返済額から借入額はどれくらいの金額が目安となるのでしょうか。月々の返済額は手取り月収の20~25%ということがよくいわれます。賃貸住宅を借りる際の家賃の目安も手取り月収の20~25%程度が目安といわれますので返済額としての目安としては概ね無理のない水準なのかもしれません。
例えば手取り40万円の人の毎月の返済額は8~10万円となります。返済月額10万円で金利3%とすると15年の返済期間で約1,500万円、30年で約2,400万円の借入が可能となります。
しかし、マイホームの返済額としては家賃の支払いとは異なり、固定資産税、管理費、修繕積立金など家賃とは別に発生する必要な費用を考慮に入れる必要があることに留意しましょう。
最終的には価値観が重要
住宅ローンの返済では、借入額の前に返済期間を何年とって、毎月の返済額をいくらにするかということが重要です。しかし、最も大切なのは生活の中で何に価値を置くかということではないでしょうか。
理想のマイホームを持つということに大きな価値感を持つ人であれば、多少無理のある返済でも高いモチベーションを持って返済が続けられるでしょうし、レジャーを楽しみたいという方であればマイホームの大きさやグレードを譲歩してでも返済額を減らしたいと考えるでしょう。
返済に対する高いモチベーションを持続できるか、返済の家計に対する負担が少ないかでないと長期間の返済を続けることは辛いこととなってしまいます。
返済が出来なくなってしまうと折角購入したマイホームを競売などで手放さなければならない事態にもなりかねません。住宅ローンの借入額、返済額はしっかりと検討してから利用をしましょう。