マンションは多数の世帯と同じ建物で居住することになります。一戸建てとは異なり、他世帯の居住者との距離が大変近くなることで、トラブルも起こり易い状況にもなります。
マンションに居住する人達はどのようなことをマンションでの生活上のトラブルと感じているのでしょうか。
国土交通省の調査
国土交通省では、マンション管理に関してこれまでに講じた施策の効果を検証するため、また、今後に必要となる施策の提示を行うに際して基礎となる情報を得るために、マンションの管理状況、マンション居住者の管理についてアンケートによる調査を行っています。
この調査の名称は、「マンション総合調査」といいます。最近では概ね5年に1回のペースで行われており、直近では平成25年12月に調査が行われました。
この調査では、トラブルの発生状況についての質問が入っており、マンションの居住者がトラブルと感じていることについての回答が集められています。
マンションでのトラブル
国土交通省による平成25年に行われたマンション総合調査によると、トラブルの発生状況として最も多かったのは、「居住者間のマナー」で55.9%となっています。次いで「建物の不具合」が31.0%、「費用負担」が28.0%、「近隣関係」が12.8%、「管理組合の運営」が12.2%で、他は10%を切る回答となっています。
上記は重複回答が可能であり、マンション居住者の過半が居住者間のマナーに何らかのトラブルがあるという回答でした。また、「特にトラブルなし」との回答は26.9%であり、概ね4人中3人は何らかのトラブルを抱えているという状況であることが分かります。
最も多かった居住者間のマナーでのトラブルの内訳は「違法駐車」、「生活音」が多くを占めており、「ペット飼育」、「バルコニーの使用方法」もトラブルの原因となることが多いようです。これら以外では「共用部分への私物の放置」、「バルコニーの使用方法」、「専有部分のリフォーム」などがトラブルとして挙げられています。
トラブルの対処方法
このようなトラブルへの対処方法として最も多いのが「管理組合内で話しあった」で69.2%、次が「マンション管理業者に相談した」が48.0%になっております。
やはりマンション内でトラブルが発生した場合には管理組合が最も身近かつ有力な存在であることが窺われます。また、マンション管理業者が多くのマンションの管理を行っていることも分かります。
マンション管理士に相談という方法が3.9%となっており、マンション管理会社と利益相反するトラブルの場合の相談先として存在感を増してきています。