賃貸経営において経費を抑える事は重要ですが、経費を抑える事ばかりでは結果的に投資効率が悪くなる事があります。
経費は家賃収入を得るために必要なものであるという視点に立って賃貸経営を考える事も大切です。
賃貸経営に経費は必要
賃貸経営を行っていると固定資産税、建物の清掃、賃貸管理に要する費用、保険料などの経費が発生します。経費を抑える事ができれば、その分キャッシュフローは良くなるため、自分で出来る事は自分でやるという方もいらっしゃいます。
清掃や入居者対応などを大家自ら行う事で経費を少なくする事も出来なくはありませんが、経費を抑える事だけでは却って家賃収入を減らしてしまう事もあります。
家賃獲得のための経費
賃貸経営は他人に建物を賃貸する事で獲得した家賃から賃貸経営に必要な経費や賃貸物件の取得のために利用したローンの返済を行っていく事が基本モデルです。したがって家賃を得なければ賃貸経営で成功する事はありません。ここで大切な事は家賃を支払ってくれる賃借人あっての賃貸経営だという事です。
サラリーマン大家の方などが、会社の休みの日にマンションなどの共用部分の清掃を行ったりする事で経費を削減できたとしても、賃借人の方が清掃の行き届いていない物件だと判断してしまうと退去してしまったり、新しい入居者が決まらないという事があります。また、入居者対応も迅速かつ丁寧でなければ、同様に入居者が離れていく事になります。
このような業務を専門業者に委託して入居者の満足度が高くなる事で入居を続けてくれれば、削減しようとしていた経費以上の効果が得られる事があります。
賃貸経営では経費は家賃収入を獲得するためのコストにもなるという考えが必要なのです。
キャッシュフローを良くする経費
賃貸経営で居住者の満足度を高めたとしても卒業や転勤などやむを得ない理由で退去が発生する事があります。このとき家賃はそのままで、すぐに次の入居者が決まれば良いのですが、空室が少し長引くと家賃を下げて入居者を募集するという事もあるかもしれません。
しかし、エアコンを新しくする、トイレをグレードアップするなどの設備に経費を掛ける事で家賃を下げる事なく入居者が決まる可能性があります。
入居者のニーズを掴み、それを反映するための経費を掛ける事によって、空室期間が短く、家賃を下げずに入居者が決まれば、設備に掛けた経費は結果的に回収できる事になります。
賃貸経営ではキャッシュフローを良くする経費の使い方についても検討する事が大切です。