任意売却

住宅ローンにおける抵当権の意味することは何か

金融機関などで住宅ローンの融資を受けてマイホームを取得すると、通常、債務者の所有する土地や建物の登記簿に抵当権という権利が設定されることとなります。この抵当権とはどのようなもので、何を意味するものなのでしょうか。

LP_banner_02

■ 抵当権

抵当権とは、住宅ローンなどによって金銭の借り入れを行った際に、貸主がお金を貸すことに対して設定する担保権をいいます。住宅ローンでは債権者が融資をする代わりに土地や建物に抵当権を設定して、お金の返済が出来なくなったときには土地や建物を債権者が処分をするなどして債権を回収することとなります。 不動産に抵当権を設定した場合、返済が出来なくなった時、不動産を処分する権利を持つ者を抵当権者、処分される不動産の所有権を持つ者を抵当権設定者と言います。

■ 抵当権の意味すること

抵当権の特徴は、目的物の引き渡しを必要としないため抵当権が自宅に設定されても抵当権設定者は自宅に住み続けることができることです。また、抵当権が設定されていても、賃貸することが可能です。法律上では売却することにも問題はありません。しかし、実際には抵当権の付いたままの物件が売買されることはほとんどありません。何故なら抵当権は人ではなく設定した物に付くため、抵当権がいつ実行されてもおかしくない物件を購入しようとする人はほとんど居ないからです。 なお、抵当権は口頭でも成立しますが、そのままですと売買によって新しく取得した人には抵当権を主張することができません。抵当権設定の登記を行っておくことで売買による新所有者にも抵当権を主張できるようになります。

■抵当権の付着した不動産の売却方法

抵当権が付着した不動産にはリスクがあると判断されるため、抵当権を抹消してから売却を行うのが望ましいといえます。抵当権の登記を抹消するためには、当然に抵当権設定の前提となっている債権債務が消滅していることが必要です。住宅ローンでいえば返済が完了していることです。 そうなると住宅ローンの返済中の物件は一括返済しなければ売却することができないということになってしまいます。そこで売買成立時に抵当権の抹消を行うことを条件にするという方法を取ります。これによって抵当権の設定が無いものとして売買交渉を行うことができるようになるのです。 住宅ローンが残っているマイホームを売却する方法のひとつである任意売却は、このように抵当権抹消を前提として一般市場での売却を行います。このため任意売却の実施に当たっては、まず抵当権者の承諾が必要となるのです。

LP_banner_02

ピックアップ記事

  1. 実は厳しい税金滞納への対応
  2. 不動産売却における委任状取り扱い説明書
  3. 賃貸経営を行うのに宅建の資格は必要?
  4. 賃貸不動産の経営管理を安易に考えてはいけません!
  5. 住宅ローンによる隠れ貧乏にならないために

関連記事

  1. 任意売却

    任意売却したい!その方法とは?

    任意売却したいと思うときは、どの様な状況でしょう。それは月々の住宅のロ…

  2. 任意売却

    不動産投資ブームの裏側にある任意売却

    日本銀行による大規模な金融緩和政策が行われており、マイナス金利も継続し…

  3. 任意売却

    住宅ローンの返済途中に転勤が決まってしまったらどうする?

    長期に渡る住宅ローンを組んでせっかく手に入れたマイホームですから、ずっ…

  4. 任意売却

    任意売却による連帯保証人にかかる迷惑を最小限におさえるには

    現在住んでいる住宅のローンが支払えなくなったとき、任意売却を考える必要…

  5. 任意売却

    任意売却にかかる期間や期限について

    住宅ローンの督促状・催促状などを無視し滞納を続けていると、通常数ヶ月で…

  6. 任意売却

    必見、競売における未登記建物の対処法

    競売に至る理由は、ケースバイケースなので一概には述べられません。しかし…

おすすめ記事

おすすめ記事2

特集記事

アーカイブ

  1. 債務整理

    相続放棄したのに管理が必要!? 相続放棄された家を競売に出す方法
  2. 任意売却

    競売落札による物件に残る動産やゴミの対処
  3. 離婚と不動産

    離婚した場合、家のローンにおける共同名義はどうなるのか
  4. 不動産基礎知識

    マイホームなど不動産の引き渡しの重要性
  5. 債務整理

    競売における保管金の役割とは
PAGE TOP