不動産投資をお考えの場合、物件を安く仕入れる方法として「競売で競り落とす」考え方があります。不動産を競売で獲得することに興味はあるものの、競売落札後を具体的にイメージすることは難しく、どのように取引されているのか不安になるはずです。では、競売落札後、競売代金の納付方法はどのように行えば良いのかを見ていきましょう。
■裁判所から届く代金納付期限通知書
競売物件で入札が終わり落札できると、数日後、落札金額の残金を支払うよう「代金納付期限通知書」が裁判所から送られてきます。この通知書は、競売で最高額を入札した買受人にだけ送付されます。
代金納付期限通知書に記載されている項目は、
・代金を納付する期限
・裁判所が指定した納付手続きをする日時
・その時に持参する書類明細
・登録免許税の計算方法
・代金納付の振込依頼書
・登録免許税の納付用紙
以上の内容が、記載されています。
■代金納付の手続き
最寄りの金融機関の窓口で指定裁判所の預金口座に、送付されてきた振込依頼書(3連複写式に必要事項を記載)にて振り込みます。振り込んだ際には必ず「保管金受入手続添付書」と、振込金(兼手数料)受取書を受け取ります。
その他の支払い方法としては、現金を直接、地方裁判所に持参する方法や、地方裁判所が指定した日本銀行の支店などに現金を納める方法もあります。その際には必ず「保管金受領書」を受け取りましょう。
ここで、気を付けていただきたいのは、金融機関で振り込みをしただけでは、代金納付したことにはならないことです。代金納付を完了するには、裁判所に出向き「入金確認」を行わなくてはなりません。
また、代金納付を期限の日時までにされなかった場合は、入札保証金の返還を求めることはできませんし、再びその物件の買受人になることもできません。
■裁判所での入金確認
金融機関で振り込みを済ませて、裁判所に行くのですが、振り込みをする時間次第では、翌日扱いになる場合もあります。金融機関に確認してから、裁判所に出向いた方が良いでしょう。
その際には、金融機関で受け取った「保管金受入手続添付書」が必要となるので、必ず持参しましょう。また「保管金提出書」の記入と押印がありますので、シャチハタではない印鑑を忘れずにお持ちください。
実際に入金が確認できたら、保管金係が「保管金受領証書」をお渡しします。所有権移転等登記手続きで必要になりますので、必ず受け取り、大事に保管しておきましょう。
■まとめ
入札した価格から保証金を差し引いた残代金を納めることで、物件の所有権は落札者に移りますが、残代金の納付時に所有権移転登記に伴う登録免許税も納付することにより、登記簿上で所有権の移転を登記することができるので、第3者に対抗できることになります。
前記したように、3つのいずれかの方法で競売代金を納付することにより、競売物件は落札者の所有となるのです。
不動産のことに関して何か疑問やお困りごとがありましたら、お気軽に「アブローズ」までご相談ください。