権利証とは、土地や建物の所有権移転登記が完了したことを証明する書類ですが、「登記済証」ともいい、土地や建物の所有者等が登記を申請する際に、本人を確認する重要な書類です。では、競売における権利証の扱いはどのようになっているのか確認しておきましょう。
不動産競売における権利証
買受人となり代金を納付し、その後、登記手続きに必要な登録免許税と郵便切手等を納付すると、裁判所の方で所有権移転登記および、差し押さえ登記・抵当権設定登記等の抹消登記の手続きを行います。
登記手続きが終了すると、裁判所から登記識別情報通知が送付されてくるのですが、その登記識別情報通知こそが「権利証」にあたります。
権利証というと、冊子のようなイメージがありがちですが、1枚の紙で送付されてきます。大事な情報が記載されていますので、厳重に管理しましょう。
登記識別情報通知書とは
2004年6月に不動産登記法が100年ぶりに改正されました。
改正の目的は、インターネットを介した登記申請ができるようになることで、登記事務の簡素化、効率化をする点にありました。
改正前までは、登記が完了すると登記済証が交付されていました。これが「権利証」に相当します。
不動産登記法が変わるまでは、権利証の所有者であるということで、不動産の権利者であることが証明できたのですが、法改正にともない登記済証が交付されないこととなりました。
登記済証が発行されないことは、権利証が無い。ということにもつながります。
しかし、その代わりに、登記識別情報が通知されることになりました。
登記識別情報とは、1枚の紙で、登記所が無作為に選んだ12桁の英数字が書かれており、上にシールが貼られています。このシールは不動産を売却するまでは剥がさない方が良いでしょう。なぜなら、12桁の番号は、その不動産の権利に関わるパスワード的なものなので、他人に知られると悪用されることもあるのです。
そのようなことから、登記識別情報の通知を受けたものは、不動産の権利者と判断されるため、その情報は厳重に管理する必要があります。
また、物件を売却する際に「権利証を準備しておくように」等といわれることがありますが、2004年6月以降に物件を入手している方は、権利証=登記識別情報のこととなりますので、用意するものが登記識別情報の通知で良いか確認してもらいましょう。
まとめ
買受人となり、登記の手続きが完了した時点で登記識別情報の通知が送付されてきますので、それが、以前でいう権利証に相当します。1枚の紙ですが、登記に関する重要なパスコードとなりますので、紛失しないよう、厳重に管理をしましょう。
不動産のことに関して何か疑問や困りごとがありましたら、お気軽に「アブローズ」までご相談ください。