競売の「一括売却」とは一括というぐらいですので、もちろんいくつかの物件をまとめて売却する事です。一般的には、競売物件は一件ずつの個別売却が主な方法と思われています。では、「一括売却」がどのような方法なのか見ていきましょう。
「競売の一括売却」
不動産の競売を複数する場合、複数を1つのセットとして売るのか、1つずつ別で売るのか、裁判所の判断(民事執行法61条)があり、「担保権」ではなく「債務名義」に基づく競売 (民事執行法188条)についても用いられています。
複数を1セットで売ることを「競売の一括売却」といいますが、反対に1つずつの競売を「競売の個別売却」といいます。
「一括競売の意味」
「一括競売」とは、更地に「抵当権」つけられたあとその土地に建物が建てられた場合は、土地とその建物を競売することができるという規定(民法389条)です。似ていますが、別の制度です。競売の場合は、上手に使えばとても有利な売却ができます。※要件は同じです。
「一括売却の要件」
〇不動産が裁判所の管轄内で複数のものであること。
〇別々の不動産を一括で同じ人に買受させることで、どちらにも得になる。
〇超過売却になる場合は、債務者の同意があること。
※最終の判断は、裁判所がおこないます。
「申立権はない」
一括か個別かの判断は、裁判所の判断となっています。よって、当事者が「申し立てる」という手続きがありません。しかし、一括売却を希望するという上申書を提出する必要があります。内容としては、一括のほうが高く売れるということを書きます。
「裁量権の逸脱」
裁判所の判断で個別にしたが一括のほうが有利な場合は、「売却不許可」となります。ざっくり言うと「裁量を逸脱」=「大きな判断ミス」ということになり、結果売却のやり直しがされます。
「不動産の選択」
〇不動産の競売申立ての対象を「申立人」は、複数の不動産からいくつか自由に選択することができます。一番有利な状況で競売にかけて債権の回収をするためです。
〇複数の不動産を全部1つのセットで売却することも可能です。しかし、最小限の売却で回収をするという法律(無剰余差押えの禁止=民事執行法63条)があり、過剰に売却することはいけないのです。
全部を売却せずともそのうちのいくつかで、執行費用と債権の回収が賄える場合は「一括売却はできない」ということです。しかし、例外として「債務者」(所有者)の同意がある場合は、「一括売却」はできます。売却後、過剰分(余った分)は「余剰金」として「債務者」(所有者)に交付されます。
まとめ
競売の「一括売却」について書いてきました。なかなか、判断がつかないわからないことなども出てきそうです。不明な点などは、専門の業者や不動産に相談されることをお勧めします。
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