競売に参加する方や不動産を所有している債務者に対して、競売の開始時期や競売を確定する前には、通知書によって知らされる事になります。債務者にとっては任意売却の最後のチャンスであり、競売の参加者にとってはいよいよ始まる合図とも取れます。競売開始決定通知書について、紹介しましょう。
競売開始決定通知書が届く意味
住宅ローンの返済が滞り、催促状や督促状に応じなかった住宅の持ち主に対して、保証会社が所有者の代わりに全額ローンの残りを立て替えます。これを「代位弁済」として、所有者に対して一括返済の請求を行ないます。しかし、もともと支払う事が出来ない状況の為に、保証会社などの債権者は裁判所に対して、競売の申請手続きを行う事になるのです。
この申請を受けた裁判所から、債務者となる住宅の所有者に対して「競売開始決定の通知」が届けられる事になるのです。これから「あなたの家が競売にかけられる」と言う内容の通告になる訳です。
競売開始決定の記載内容
1=事件番号(通し番号)競売は、事件として扱います。
2=競売の手続きが開始した事。競売が、いよいよ開始する合図です。
3=申立て債権者(借入先の金融機関や保証会社)競売を申し仕込んだ人です。
4=債務者兼所有者は、住宅などの所有者です。
5=担保権・被担保債権・請求債権目録は、借金の内容の事です。
6=物件情報は、対処となる物件の内容についてです。
現況調査の為の連絡書=通知書
上記内容の通知が届くと、しばらくして現況調査を行う為の通知書が届きます。これには、裁判所の執行官や不動産の鑑定士がともなって、現地調査を行う旨を記載しています。これは、所有者が拒否しても調査員達は、鍵屋さんを呼んだりして、実力行使により必ず中に入る事になります。
競売の3点セット
この調査によって、競売の3点セットと呼ばれている競売の情報が記載される事になります。
1=物件明細書の内容
不動産物件の売却の条件などが記載されています。住所や建物の名称等です。法定地上権の概要や買受人が負担する他人の権利などです。
2=現況調査報告書の内容
土地や建物の形状について、占有状況などを調査しているので、競売の参加者が重要とする内容です。
3=評価書の内容
競売物件の評価額を、専門家である不動産鑑定士によって、根拠となる評価の計算方法や、その内容について記載されます。土地と建物は、別々の評価と合計された評価が提示されていますが市場取引とは異なり、不動産の新旧や破損などの状態や占有者などの特殊な状況が、値段に反映される事になり市場価格の70%~80%の評価になっています。
期間入札の通知書
物件の調査が終わりますと、いよいよ競売の開始日が決定する事になります。この中には、入札期間の事や開札期日、売却基準価格などを知る事が出来ます。所有者は、開札日の前日までに任意売却の許可を債権者から取る事が出来れば競売を回避出来ますが、ほとんどの場合はそのまま競売に持ち込む事になります。
入札および開札
2~3カ月が経過した頃に、入札の開始が始まります。入札参加者は、ネットや裁判所の掲示板によって競売の詳しい情報を閲覧する事が出来ます。1週間ぐらいで入札参加者をつのり、開札日の当日には、最高価買受申出人が決定する事になります。
売却許可決定の通知書
落札者の審査を行って、法的な問題や債務者との関連などを調べて許可が出る事で、「買受人」として決定し、入札参加の保証金以外の残金を支払った後に所有権の名義変更を法務局が代理で手続きする事になります。
※占有者に対しては強制執行などの手続きを行う事でスムーズに実行する事が出来ます。
まとめ
通知書から始まる競売は、その進行具合に応じて様々な通知書が発送されます。債務者にとっては、任意売却による最終的な決断を迫られる事になりますが、入札に参加する人達にとっては、競売に参加する合図となる場合や売却許可決定による所有者となる為の通知などがあるのです。
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