住宅ローンの滞納を続けてしまった結果、競売になってしまったマイホームにどうにかして住み続けたいと考える方は比較的多くいらっしゃいます。
この場合に競売の入札を他の方にお願いして、やがて買い戻すという方法がありますが、この買戻しについて考えてみます。
競売の入札資格者
裁判所で行われる競売の期間入札は、債務者及び連帯債務者を除き原則的に誰でも参加することができます。したがって債務者の血縁者であっても連帯債務者でなければ入札に参加することが可能です。
この制度を利用して血縁者や知人の協力を仰ぎ、マイホームを落札して貰って、その落札者からマイホームを借り受けるなどし、やがては買い戻すという方法があります。もし、上手く行けばそれはそれで良いのですが、実際のところは中々難しく、失敗することも多い方法です。
失敗する要素
まず、協力してくれる人を探すのが難しいということが挙げられます。血縁者であっても住宅ローンの返済が出来なかった債務者のためにお金を出して物件を落札してくれる人を見つけることはきっと難しいことでしょう。
次にいくらで入札するかも問題です。他の方が落札してしまったら買い戻すことは基本的に難しく、応じるとしても落札以上の金額を請求されるのが通常です。このため落札できなかった時点で、買い戻す方法は失敗と考えて良いと思います。また、無事に落札できたとしてもお金の支払いのことを考えておかなければいけません。現金で落札金額が支払えるのであれば問題ありませんが、ローンの借入れに失敗してしまったら落札しても買受けることが出来なくなってしまいます。
このように競売物件の買戻しは様々な失敗する可能性を大いに含んだ危ういものであるという認識を持つことが必要です。
早目の対応が一番
競売となった場合の買戻しが難しいのは他の入札者よりも高い金額で入れなければならないためです。しかし、あまりに高い金額で入れてしまうと債務者による買戻しも賃借することも難しくなってしまいます。
また、買受可能価額に近い水準で落札できたとしても、高額の残債に苦しむことが続きます。いずれにせよ失敗の種は色々なところに潜んでいるのです。
一方、任意売却であればどうでしょうか。買戻しを睨んだ任意売却はできないことも無いようですが、なかなかハードルが高く厳しいものがあるようです。
それだけマイホームのローンの返済が出来なかった債務者がマイホームに住み続けるというのは難しいということだといえます。やはり競売開始決定となる前に早目の対応を取ることが一番なのでしょう。