物件を強制執行といったケースで不動産競売にかけられるとき、手続きに費用が発生します。物件が競売にかけられるとき、債権者が費用を負担しなければなりません。今回は不動産競売に必要になる「差押え費用」と「明け渡し費用」の負担について、解説をしていきたいと思います。
差押えを行う上での経費負担
差押えを行う場合には、経費の負担は申請をする債権者が立て替えます。競売は、債務者が滞納している債権を回収できる手っ取り早い方法ですが、弁護士費用以外にも裁判所に納付する印紙代と郵券(約2万円)、差押さえ登記に必要な費用(請求債権額の4/1000)60万~200万円にも上る予納金を支払う必要があります。
不動産競売に必要な諸経費は、「差押えの費用」では以下のようになります。
・印紙代:担保権、債務名義一軒につき4000円
・申し立て郵券(切手):裁判所に16000円納付、必要ない裁判所も存在
・予納金:裁判所や物件数で変動
・登録免許税:請求債権の0.4%。根抵当権のときは限度額と請求債権を比較し少額のほうを算定基礎金額に設定
・添付書類の取り寄せ費用
・弁護士に依頼時の着手、報酬金
不動産が売却できた際には予納金は帰ってきますが、不動産競売での申し立て手続きでは無剰余取消しや買手が見つからず売却できない事もままある為、売れ残ってしまった場合は予納金から使用された必要経費をマイナスした額が返却されます。返却は元の金額から半分以上引かれた額になるので注意しましょう。
明け渡しに対する強制執行による立ち退き費用
競売で売却した後、買受人は立ち退きの為の費用を負担する事になります。ほとんどの場合が、債務者は居残りをするしかない状況です。それを解決する為の「強制執行」と費用負担をしなければなりません。
・強制執行申立時予納金は、相手方が1名の場合は6万円から7万円
・催告時:執行補助者日当の支払い。約2万円。
・催告時:カギ解錠費用は約1万円です。留守の場合にカギ屋さんに支払います。
・執行日:執行補助者日当は約3万円です。荷物の運送や保管の代金です。
・執行日:カギ交換が必要となります。カギ交換費用は約2万円です。
・執行日:家財道具等の撤去や作業費用約50万円以上から、荷物の量によって異なります。
競売における強制執行の費用は、「差押えの費用」と「立ち退きの際の費用」で約200万円以上かかる場合があります。買受人は購入後も、立ち退きの為の費用も予算として考えておく必要性があるのです。
まとめ
競売には非常に高額な費用を負担しなければならず、計画的に行わなければ大きな損失を招く恐れがあります。競売を申請する費用や競売後の立ち退き費用などは、誰が負担すべきなのかを理解した上で、競売に参加しましょう。
不動産のことに関して何か疑問や困りごとがありましたら、お気軽に「アブローズ」までご相談ください。