日本では少子高齢化が問題となっていて、人口はすでに減少傾向を示しています。今後も同様の傾向が続くことが予測されており、人口が増加に転じる可能性は低い状況です。そうなってくるとアパート経営を行っても入居する人が居なくなっていき、入居率は今後厳しくなってくることが十分に予測されます。
入居率が厳しくなると
入居率が厳しくなるということは、言葉を替えれば空室率が高くなるということです。これによってアパート経営の今後は厳しくなっていくことが予測されます。一般的にアパート経営はアパートの建築資金を銀行などの金融機関のローンを利用して調達し、入居者から受領する家賃で経費の支払いとローンの返済を行う訳ですから、入居率が厳しくなるとローンの返済が困難になるということになります。
ローンの利用に際してアパートなどを担保にしますので、ローンの返済が出来なくなれば当然に担保権が実行されてしまいアパートを手放さざるを得ないことになってしまいます。アパートを手放すだけで済めばまだ良いのですが、アパートの売却金額でローンが完済できなければ、残債を別途返済しなければいけません。
現金で支払うことが出来なければ所有している売却価値のあるもの、例えば自家用車や自宅などを売却して得たお金で返済を求められることにもなります。
相続税とアパート経営
実はアパート経営における入居率の悪化は人口の減少だけが問題ではありません。相続税対策によるアパート建築の増加も入居率を悪化させるというように言われています。土地を多く所有している場合に、その土地が未利用地の状態よりもアパートを建てて他人に賃貸している方が相続税の評価額が大きく減額となるのです。
このためアパート経営をするためというよりも単に相続税対策のためにアパートを建てるという方が現実にいらっしゃいます。そして平成27年に相続税の基礎控除額が引き下げられたことによって、従来は相続税が発生しなかった人達でも多くの方が相続税の納税対象者になることになりました。これによって昨今は相続税対策が非常に注目を浴びています。
結果的に相続税を払ったほうが安いケースも
しかし、相続税対策のためだけにアパート経営を始めることはあまりお勧めできるものではありません。もちろん駅などに近く、人気のエリアで入居者も見込める土地であれば構いませんが、入居率が悪い土地でアパートを建築しても長い目で見ると維持費や固定資産税などの経費の支払いが続くことになり負債を抱えてしまうことに成り兼ねないためです。
アパート経営を行う場合には、十分に経営として成り立つのかについて検討した上で始められることをお勧めします。