かつては、競売に関する法律には、「競売法」と「民事訴訟法」がありました。この2つを合わせることによって、「民事執行法」のモトが作られています。改正なども行われて競売の法律が定まることになりました。今回は、民事執行法の意味や役割について紹介します。
■民事執行法とは何?
「競売法」と「民事訴訟法」の融合によるものですが、それぞれの意味を紹介します。
◎「競売法」について
不動産の競売を行う為の民法および商法に基づいて、競売においての手続きや規定に関して詳しく制定した法律です。
◎「民事訴訟法」について
民事裁判に関する規律の総称について述べている内容の法律です。
◎民事執行法とは
強制執行に関することや、担保権の実行をする為の競売、換価の為の競売などを民事法により定めたりした規律のことを記している法律です。
◎競売とは
不動産の差押えなどによって、「強制競売」や「任意競売」を行って、債権者がお金の回収するための行為になります。
■民事執行法の改正
昭和54年の法律第四号によってできた、統合などによる競売の為の法律ですが、平成30年5月25日に最終的な改正がなされています。民事執行法の施行の背景には、バブルの崩壊がありました。
競売物件が増える原因となり、買い請け人の権利を守る目的で、制度や規則を確立する為にできたものとなっています。数度の改正によって、競売による不動産の取引を円滑に進める為の役割を担っています。
◎引き渡し命令の発令とは
住まいを無償で住んでいた占有者がいた場合には、この行為に対して、持ち主は明け渡しの訴訟を行っていましたが、競売妨害に使用されないように措置が行われました。
◎執行抗告に制限とは
抵当権について、所有権移転登記と同時設定登記について変更を定めました。
・「所有権移転登記」とは、現在の名義人から他人に変更された場合に万一に備えた、所有権の移転を登記する事で守られているのです。
・「同時設定登記」とは、不動産購入と同時に抵当権設定登記を行う場合などをいいます。
◎執行官調査権限拡充とは
家を占有している者が、誰なのかを正確に把握するための権限として、その家のガスや電気を使用している名義人が誰なのかを調べる事が可能になりました。執行官の調査報告がより正確に記載される事になります。
◎短期賃借権廃止とは
短い期間での賃借人に対して権利の無効を示したものです。
◎明渡猶予制度制定とは
占有者の特定ができない場合には保全処分として保留の状態になります。
◎売却基準価額制度の確立
これまでの競売には、最低売却価額制度がありました。評価人の価格に基づいた金額に下回らなければよかったのですが、改正では、売却基準価格に2割分を差し引いた価格を上回る価格であれば良いことになったのです。
■民事執行法の改正による効果
競売における門戸が開かれる事によってどう変わったのか。これまで、競売物件は、競売に詳しい専門家による入札による取引が中心でしたが、競売が一般的に参加できることによって、個人の投資家や、予算の少ないマイホームを求める知識のない人たちまでが参加してきたために、競売の入手がより難しくなってきたと言えます。
これは、一般的には良いことだと思われるのですが、競売の不法占有者やいわくつきの物件も多くあるのが現状です。裁判所の公示によって3種の神器による内容の把握には、競売における専門性を必要する為に、競売や任意売却をお考えの際には、専門性に優れた不動産会社におまかせ下さい。
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