住宅ローンが滞り、債権者から督促状が届くと、競売にかけられてしまう可能性が高くなります。競売は、不動産が強制的に売買され、債務者の事情を考慮してくれません。このとき、助けとなるのが任意売却です。任意売却をするにあたって第一に必要になることが「申出書」の準備です。今回は「申出書」についてご説明します。
任意売却に関する申出書
任意売却をする際に、任意売却に関する申出書を債権者に提出することが必要です。債務者、及び連帯債務者の署名、実印にて捺印、連絡先の記入が必要になります。また、任意売却を担当する不動産会社の名称、担当者名、住所、連絡先、押印が必要となります。
金融機関により異なりますが、住宅ローンの返済が滞ると、代位弁済が行われたときに、債務者あてに「任意売却に関する申出書」が通知されるようになっています。
※金融機関によっては所定の書式があるので確認が必要です。住宅金融支援機構のような独立行政法人機関では絶対必要となり、銀行によっては任意の提出の場合もありますが、あった方が、融資をスムーズに行うことができます。
申出書の具体的な内容例
申出書を提出するにあたっては、債権者に売却及び抵当権抹消について承諾してもらうよう申請します。売却代金によって残債務を完済できない場合は、残債務について可能な範囲で弁済することを債権者と協議するようにします。また、連帯保証人がいれば、同等の責任があるので、抵当物件の売却に同意するようにお願します。
併せて、債務者と連帯保証人などの債務を負う該当者は、以下のことに同意しなくてはなりません。
1.仲介業者に対して、債権者が任意売却に必要な個人情報(氏名、連絡先、残債務額等)、及び物件情報を提供すること、債権者が仲介業者から売却情報の提供を受けること並びに債権者が関係権利者に残債務額等の確認を行うことに同意するようにします。
2.任意売却が思うように進まないケースなど、任意売却が成立する見込みがないと債権者が判断する場合、債権者により不動産競売の申立てが行われることのあることを承諾するようにします。
3.債務者は、暴力団、暴力団関係企業、総会屋若しくはこれらに準ずる者、またはその構成員ではないことを確約します。これらに該当する場合は任意売却を中止し、債権者により不動産競売の申立てが行われることを承諾するようにします。
4.債権証書の返還の前後にかかわらず、債権が残存する限り、担保物件における特約火災保険が付保されている場合は、債権者が解約して債務者の残債務に充当すること。そして、債権者以外の保険金請求権に対する質権者が存在する場合には、充当の額、及び方法について債権者の指定に従うことについて同意するようにします。
まとめ
住宅ローンの滞納が進んでしまったら、一人で抱え込まず、連帯保証人になられている方に速やかに連絡をし、任意売却は競売にかけるよりも傷が浅く済むことを了承していただきましょう。そのうえで「申出書」に署名、捺印をしてもらうことが必要になります。また、専門性が高い分野になるため、任意売却に精通した不動産会社を味方につけることは心強いことでもあります。しっかり相談して、難局を乗り越えてください。
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