立ち退きをする場合には、荷物を移動する費用がない為に残す場合がほとんどです。その放置した荷物の扱いには、動産放棄の承諾書をもらう必要があります。競売における動産放棄の承諾書をもらう事について詳しく紹介しましょう。
動産放棄の承諾書
競売に限らず一般の賃貸物件でもあり得る事なので不動産投資のアパートにする場合は、覚えておくと良い方法です。競売における債務者の場合は、ほとんどの場合金銭的な余裕がない事がわかります。立ち退きに応じてくれたとしても、多くの荷物や設備がそのままの状態で放置されています。
見た目にゴミである事が確実な場合であっても、その残留物の所有権は、前の住人に権利があるので、勝手に移動したり処分したりする事が禁じられているのです。万一、早まって残留物を使用不能な捨てたものとして勘違いして処分した場合には、違法にあたる行為になるので注意しましょう。
債務者の人権も守らなければならないので、法律に則って処理を進めて行く必要がある為です。トラブルを回避するには、こちらも法律を守る事にあります。そのためには、どのような方法を取れば良いのでしょうか。
動産放棄の内容
明け渡し届けを意味する「動産放棄」又は「残置物所有権放棄承諾書」として題名を記載します。前の住人である私は、使用していた土地付家屋は、これを持って明け渡しを行います。そこで、残存物に関しましては権利放棄を誓う事を約束します。残置物の廃棄においても一切の不服はないものとします。
などのようにポイントとなる箇所は「権利放棄」が最も必要な言葉です。相手が了解すれば、住所と物件名、使用者住所と使用者名を記入して日付を入れて印鑑を押してもらいます。
動産放棄の条件として
前の所有者には承諾書を了承する余裕がないこともあり素直に了承してもらえない場合があります。そのような時には、承諾料として数万円程度渡す事も1つの方法です。これならば、もともと明け渡しも荷物の処分も債務者の負担責任による行為なので、納得させる条件として使えます。
それでもダメな場合には、強制執行を申し立ててから、明け渡しの催告を行う事で「強制執行」の実行に頼る方法になります。特定の期日に強制執行する事で、裁判所の執行官が立ち会って搬出業者によって、強制的に荷物を運びだして明け渡しの断行をします。
強制執行を申し立てる場合にかける費用は総額で100万円近くかかる場合もあり、申し立てから2か月ほどの期間がかかる事を考えると、できるだけ話し合いで立ち退きを了承してもらう方がベストな選択です。
強制執行の申し立ての代金が10万円ほどになります。搬出業者への支払いが3万円ほどになり、荷物を運搬する費用は50万~60万程度かかるので、前もって買受人が負担する事を考えた場合の承諾料は安いと考えた方が良いでしょう。
この場合の承諾料を立ち退き料として考えれば全費用から比較してもお互いに有効な費用と考えます。この方法も選択肢に入れておく事です。
まとめ
債務者の立場からすると明け渡しも荷物整理も無理な行為でしかありません。話し合いによる解決方法として「動産放棄の承諾書」を受け取る事が、相手の人的権利を侵害せずに法的にも認められた合意方法として効力を持つ事になり、お互いの合意に基づく方法になっているのです。
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