最近では、競売物件を投資目的に考える個人投資家が増えています。競売での購入額は市場価格から考えれば、5割から7割程度の金額が魅力です。ただし、物件の状態には修繕が必要な場合がほとんどです。それを踏まえてアパート経営について検討して見ましょう。
競売にも掘り出し物がある
売出しの中には、築浅で満室のアパートが存在したと聞き及んでいます。ただし、そのような物件は稀に近いので、目安となるのは、物件を現地で確認するしか方法がありません。競売物件の内覧は、債権者のみが権利を有するので、競売での入札希望者は、現地に出向いて外観や環境で判断する事になります。
権利関係や詳しい間取りなどは、3点セットによる内容を読み込んでその情報を頼りに物件を推測し、絞り込む必要があります。マイホームとは違い、アパート経営の場合は、住人との賃貸契約を引き継いで、そのまま経営を継続した方が募集をかける必要がないので、有利に働く事もあります。
競売によるアパート物件の賃貸契約と権利
競売における難点は「占有者に対する立ち退き」の問題です。逆に、同じような中古のアパートを入手する場合よりも2割以上もの安い価格で入手できる事です。その辺の「購入すべき理由」も検討する必要があります。入居者がいる場合の対応を2通りで考えていきましょう。
1.入居者との契約を継続する場合
・入居者募集の手間がいらないので、新しく賃貸契約を結ぶ必要があります。
・賃借権の登記がある場合は、抵当権に対抗できるので、敷金の保証も引き継ぎます。
・賃借権の登記がない場合は、競売の新所有者は権利を引き継がないので、その辺の権利関係を丁寧に行い、新たな契約を結ぶ必要があります。
・入居者に反社会勢力がいる場合には貸す事は出来ませんので、確認する必要があります。
2.入居者との契約を終了させて立ち退いてもらう
・賃借権の登記がある場合は、抵当権に対抗できるので、部屋の立ち退き後に修繕費などを差し引いて敷金の返還を行います。賃貸契約は3年以内の有効期限内は住み続ける権利があるので、契約完了までは、立ち退きを強制できません。
・賃借権の登記がない場合は、6カ月以内の猶予期間が保証されるので、その後の立ち退きを通告する必要があります。
・どちらの場合でも、契約の修了や6カ月の猶予期間を終えた場合には、強制執行の申請が出来ます。
入居者がいない場合の物件
競売物件の残存物の処理が必要な場合には、法的な問題を避けるための処置が必要になります。元の所有者に対して合意書に署名や捺印をもらってから残置物の撤去や処分を行う事です。他にも、アパートの経営を行う場合の流れをまとめました。
1.占有者の立ち退き交渉と「強制執行の申立」をする。
2.所有者との交渉後に残存物の片付け
3.リフォームを行って入居できる状態にします。
4.入居者の募集は不動産仲介業者を通じて行います。
5.アパート経営を自分で行う、あるいは管理会社に委託します。
まとめ
アパート経営は思うほど簡単ではありませんが、やると決めたならば、競売物件の入札から立ち退きなどを、どのように対処するかを競売物件の専門業者にサポートしてもらい、運用できるまでの状態にする必要があります。法律に関係する権利関係も存在するので専門家の意見が重要となるのです。
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