自己資金のみでは購入が難しいマイホーム。しかし購入資金を借り受け月々の定額払いで返済していく住宅ローンを利用することで、ハードルを下げられます。住宅ローン契約者対象の保険には「デュエット」という部類も見受けられますが、それは如何なる保障内容となっているのでしょうか。
住宅ローンと団体信用生命保険
自宅購入目的で金融機関から資金を借り受け、それを長期にわたって毎月定額返済していく住宅ローン。これを活用するにはまず、貸付側である金融機関によるローン審査にクリアすることが必要です。その審査によって、契約者に安定して返済していける能力があるかチェックされることになります。
しかし、確実にローン完済に至れるかどうか、将来のことを100%的中させることはできません。ローン利用者に充分な返済能力が備わっていたとしても、不慮の病気や未完済での死去の可能性がゼロとは言えないわけです。そういった不測の事態に備えた保障として、団体信用生命保険すなわち団信が存在します。
これは、住宅ローンの金利の一部を保険料とし、保険の対象となる事項で住宅ローン返済が困難となった場合に適用される保障制度を意味するものです。
一般的な保険では、対象となる事態、例えばがん保険加入時にがんが発症した際、保険料という形で資金が支払われます。対して団信の場合では、保険料ではなく住宅ローンの債務取り消しという対処が取られます。すなわち住宅ローン完済と同じ扱いとなるわけです。
団信の一種であるデュエットの特徴
団信では、加入者本人が死亡もしくは重度の障害という事態に陥った時に適用されるのが基本となっています。その条件に更なる適用条件を追加していくことで、幾つかの契約内容に分かれることとなります。
その契約内容の一つに挙げられるのが、夫婦連生団信すなわちデュエットです。これはフラット25など、住宅金融支援機構が扱う住宅ローンで加入可能となる団信の一種に相当します。
ローンの組み方には、主債務者と連帯債務者の複数人で返済していく連帯債務という手法も見られます。夫婦2人で各々の持分に応じた返済額を支払っていく方法などがその一例です。そのような連帯債務を対象とした団信がデュエットとなります。
これは、連帯債務者2人すなわち主債務者か連帯債務者いずれか一方が死亡あるいは重度障害に至った場合、残りの債務が弁済されるという内容の団信です。デュエットに該当する連帯債務者は、戸籍上の夫婦・婚姻関係・内縁関係にある方々が挙げられます。
団信適用外の事由によってローン滞納に至った際、負担軽減策となる任意売却
デュエットに加入していたとしても、それ以外の理由でローン支払いが不可能となる事態も想定されます。ローン滞納が継続すると、ローン残額の一括返済が要求され、それに応じられなければマイホームを売却処分し、その売上金をローン返済に強制的に充てる措置が取られます。
その際、債務者側が何の手段も講じていない場合には、裁判所が行う競売によって物件が処分されます。競売では往々にして、通常の不動産売買より安価で売り渡されるのが主です。
ですが、債務者側が任意売却に向けて行動し、それによって売買契約に至れば、通常の不動産評価額に則った価格で取引を完了させることが可能です。
つまり、競売より任意売却の方が高額で売却され、そのぶんローン未払い残額を減らせることになるわけです。
任意売却を成立させるには、ローン貸付側である債権者の協力を得ながら、競売が確定する落札日までの期限内に契約を完了させなければなりません。
そのような、通常の不動産取引とは異なる条件を踏まえながら売却を成功させるには、まず任意売却の取り組みに精通している不動産会社に売買業務を依頼することが、抑えるべきポイントと言えます。
まとめ
以上のように、住宅ローンおよび団信の仕組みについて基本を踏まえながら、夫婦による連帯債務で利用できる団信・デュエットについて確認してまいりました。仮に、団信の条件以外で債務不履行に陥った場合には、任意売却を検討することも一つの手と言えるでしょう。
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