不動産基礎知識

抵当権に基づく競売申立ては実は簡単

マイホームを建てるために住宅ローンを借り入れると、通常は土地と建物の登記簿に抵当権が登記されます。もし、返済が滞ってしまうと、この抵当権が強い威力を発揮することになります。この抵当権に基づいて競売の申立てを行うのは実に簡単な手続きで出来てしまうのです。

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■便利な抵当権
抵当権とは住宅ローンを借りると、その借入金を担保するものとして不動産に設定される担保権のことをいいます。
抵当権には金融機関にとって都合の良い性質を持った担保権で、物上代位性、不可分性、随伴性、付随性といった性質を持っています。
物上代位性とは、抵当権の目的物である不動産が消失した場合の保険金や売却された時の売買代金など債権者は担保の目的物が換価されたお金を差し押さえることができるという性質のことです。
不可分性とは抵当権の目的物を分けることは出来ないという性質のことです。例えば住宅ローンの返済が残り半分になったからといって抵当権の目的物に及ぶ効力が半分になる訳ではく、完済まで全体に及ぶことをいいます。
随伴性とは債権の譲渡に随伴して抵当権も移転するということです。
付従性とは担保するための債権が存在しなければ抵当権も存在しないということです。
このような性質を有する抵当権は、更に抵当権の目的となっている土地や建物を抵当権設定者に使用収益させながら債権を担保させることができる性質を持ち、住宅ローンの滞納が発生すれば裁判不要で競売の申立てができるため、金融機関にとって便利で使いがってのよい権利なのです。

■抵当権による競売の申立
抵当権が設定された担保不動産の競売の申立てを行う場合には次の書類を揃えて行います。
1 申立書
2 資格証明書・住民票
申立債権者、債務者について必要となり、債務者と所有者が異なる場合には所有者についても必要となります。
3 代理に関する書類
委任状又は代理人許可申請書
4 目的不動産に関する書類
登記事項証明書、公課証明書等、物件案内図、公図等及び建物所在図、間取り図等
5 申立債権者宛返信用封筒
6 担保権を証する書面
本登記がされている担保権すなわち登記事項証明書に抵当権の本登記がされていれば、上記④で提出する登記事項証明書で足りることになります。

■簡単に行える抵当権に基づく競売の申立て
住宅ローンの滞納などによって債権者が抵当権に基づく競売の申立てを行おうとした場合には、上記の書類を揃えれば良く、裁判も不要なため実に簡単に処理が進みます。
滞納が発生すれば、債権者がその気になればすぐに競売とすることができるのです。もし、住宅ローンの滞納をしてしまった場合には、すぐに支払うか弁済が難しければ金融機関に出来る限り早く相談するようにしましょう。

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