債務整理

法律上の債務と会計上の負債の違いについて

お金を払わなければいけない状態を、債務を負っているとか、負債を抱えているというような言い方をすることがあると思います。
どちらの言い方も意味が通っていますし、違和感もありません。債務と負債は全く同じものなのでしょうか。それとも違う意味を持つ言葉なのでしょうか。

LP_banner_02
負債とは何か
債務と負債は一般的なレベルでは同じような使い方をしていることが多いです。負債とは、そのほとんどが借金のことを意味するものです。したがって負債と債務を、借金を返済する義務という意味で使う限りにおいては違和感のない使用が可能となります。
負債は、専門的な分野では、企業会計で頻繁に使用されます。そして、企業会計における負債とは、企業が負う経済的負担のうち貨幣額をもって合理的に測定できるもののことをいいます。
この合理的な測定が可能であれば将来において経済的負担すなわち支払いが確定しているものだけでなく、発生の可能性が高いものについても負債として計上することになります。
また、経済的負担には、法律上の債務は負わないものの将来的には高確率で企業に何らかの負担をさせることになる可能性が高いものが含まれます。例えば貸倒引当金、退職給与引当金などが該当します。

債務とは何か
お金を払って何らかの商品を買うときに、買主は売主に対してお金を払う債務を、売主は買主に商品を提供する債務を負うことになります。このように双方が債務を負い、片方が債務を履行しなければ、片方も債務の履行を控えるといった抗弁権が認められています。
このように債務はお金を払うという金銭債務だけでなく、物品を引き渡す義務である物品引渡債務や、サービスの提供を行う義務である役務提供債務があります。そして、金銭債務を除く、物品引渡債務と役務提供債務のことを負債と表現することは一般的にはありません。

住宅ローンの返済が出来ない状態
住宅ローンを利用すると返済を行うという債務を負うことになり、返済金額分の負債を抱えることになります。返済を続けることで負債額は減っていきます。しかし、完済するまでは債務も負債も消滅することはありません。
任意売却を行ったとしても必ず住宅ローンの残った債務を全て払えるとは限りません。残った債務については、引き続き債務を負うことになります。この残った債務、負債のことを残債と呼びます。
任意売却では、この残債の返済についても交渉を行い減額させることができることがありますので、住宅ローンの返済などでお困りの方は一度詳しい者に相談されてみては如何でしょうか。

LP_banner_02

ピックアップ記事

  1. 在宅ローンの老後破産リスクは任意売却で回避しよう
  2. 不動産売却における委任状取り扱い説明書
  3. 不動産の売却に年齢制限はある?
  4. 後妻の子の相続における取り扱い
  5. 賃貸経営を行うのに宅建の資格は必要?

関連記事

  1. 債務整理

    土地だけの競売による「法定地上権」に対する注意点

    一般的な不動産を売却する場合や競売による売却でも、土地と建物が別々に売…

  2. 債務整理

    日常をどん底までに突き落とす多重債務とは?

    多重債務者となってしまうと、返済が思うよう行かなくなり返済の催促を受け…

  3. 債務整理

    競売の落札相場を知ることで売買の判断基準にする

    最近は、不動産業者のような専門家以外でも競売に関心を持っています。一般…

  4. 債務整理

    競売と公売の違いを理解しよう

    不動産を自分の意志以外で売却される場合があります。このような場合には「…

  5. 債務整理

    競売の抵当権を抹消する方法とは

    競売とは、ローンの支払いが不可能になった為に抵当権を実行する事によって…

  6. 債務整理

    競売後のローン残り!その後の債務整理法はあるのか?

    住宅ローン返済が遅延し、更に滞納。催促状が届きついに競売にかけられロー…

おすすめ記事

おすすめ記事2

特集記事

アーカイブ

  1. 任意売却

    競売開始決定後はいつまで住めるのかについて
  2. 任意売却

    任意売却は法律家に相談すべきなのか
  3. 不動産基礎知識

    住宅ローンを利用すると住民税は安くなるのか?
  4. 債務整理

    不動産の競売後に起こりうる強制執行と費用について
  5. 債務整理

    債務整理で自宅などの不動産を残すことはできる?
PAGE TOP