債務整理

債務整理における支払い明細の取扱い

債務整理のうち任意整理によって過払い金の請求を行う方が増えています。
過払い金請求は消費者金融やカード会社などに支払った利息の一部を返還してもらうことを目的とするのですが、そのためには支払った金額が記載された明細書などのようなものが必要なのでしょうか。

過払い金請求とは
最近、雑誌やラジオなどで過払い金請求の広告をみたり聞いたりすることが多いかと思います。過払い金請求とは、債務整理における任意整理のひとつであり支払い過ぎた金利を返還してもらうことで、多重債務に困り返済額を見直すための任意整理とは異なります。
そもそも何故過払い金が発生しているかというと、貸金業者は2007年頃まで出資法に基づく上限金利で融資をしていましたが、利息制限法で定められていた金利は出資法の金利よりも低いものでした(この金利の差をグレーゾーン金利といいます。)。
このため2007年頃までに消費者金融などからお金を借りていた人達は利息制限法を上回る利息を支払っていたのですが、最高裁判所の判決によって、上回って支払った利息を取り戻すことが出来るようになったのです。
債務整理のひとつであるこの手続きには司法書士や弁護士に依頼することになるのですが、その際にどれだけの期間、どれだけの返済を行ったかということを明らかにするために必要な書類として貸金業者への支払いが記録された明細書などが必要となるのです。

明細が無いと過払い金請求はできない?
債務整理の手続きによって過払い金の請求が認められるようになっても2007年頃までの話となると明細書や契約書のなどの書類が残っている可能性も低く、記憶も曖昧になるものです。
自分自身が過払い請求可能な利息を支払っていたのかが分からないのでは、債務整理による過払い金請求が出来ないのかというと決してそんな事はありません。明細書などがあれば手続きがスムーズになりますが、無くても過払い請求をする事はできます。

明細書が無い場合
貸金業者などへの支払いが記録された明細書等が無くても、貸金業者で取引履歴の開示請求をすることになるため債務整理の過払い金請求を行うことが出来ます。どの会社から借入を行ったが分からない場合であっても信用情報機関に問い合わせることで明らかになります。
債務整理による過払い金を請求する権利は最終の取引から10年間で消滅してしまいます。2007年頃までがグレーゾーンの金利が発生していた時期とすれば、時効の到来によって請求できなくなる過払い利息が増えていく事になります。
もし、余分な利息を支払っていた可能性があるようでしたら早急に弁護士等に債務整理の相談をされる事をお薦めします。

ピックアップ記事

  1. マイホームを手放すことになってしまったら
  2. 賃貸不動産の経営管理を安易に考えてはいけません!
  3. 競売における売却基準価額とは何か
  4. 不動産投資による不労所得を得るための仕掛け作りとリスク
  5. 賃貸経営を行うのに宅建の資格は必要?

関連記事

  1. 債務整理

    マンションの管理費を滞納して競売にかけられた際の対処法とは

    マンションの管理費を滞納しても、住宅ローンの様にすぐに督促状が届くとい…

  2. 債務整理

    競売で落札した物件に占有者がいたら!?

    競売物件の入札に参加をして無事に所有権を取得できました。ですが、以前の…

  3. 債務整理

    競売のスケジュールは大きく分けて2つ

    競売での全体の流れを把握するには、不動産物件に対して競売の申請手続きか…

  4. 債務整理

    競売申立申請から競売完了までの流れ

    住宅ローンの滞納を続けていると、金融機関から督促状や催告書が送付されて…

  5. 債務整理

    競売手続きで住宅が差し押さえに!

    住宅ローンの支払いを滞納していると、借入先の金融機関から催促の電話がき…

  6. 債務整理

    競売開始!! その後とるべき方策

    人の居住の場であり、憩いの場である家が何らかの事情によってローン返済が…

おすすめ記事

おすすめ記事2

特集記事

アーカイブ

  1. いろいろ

    競売物件を購入する際に納付する入札保証金とは
  2. 任意売却

    競売物件に住んでいる人がいる場合の対応とは
  3. 不動産基礎知識

    住宅ローンの返済額についての考え方
  4. 相続

    相続 ~孫に財産を残したいのならば養子縁組~
  5. 債務整理

    競売開札後の流れについて
PAGE TOP