競売にかけられる物件は、市場価格の5割から7割くらいの値段で取引されていますが、値段から考えると不動産投資として活用できるのではないでしょうか。今回は、不動産投資としての競売について紹介していきましょう。
■不動産投資としての競売
不動産の購入価格が安く購入できることは、キャッシュフロー(お金の流れ)においては、利回りの向上を期待できることになります。競売の対象となる物件の所有者は、負債を抱えていることが多く、物件の完全なる状態の保持は、難しくリフォームなどを考えた場合に高くつく場合も考えなければなりません。競売における評価とリスクのバランスを考えねばならないこともあって、投資家の対象としては難しい側面もあります。
■競売の対象物件の評価とは
競売の評価額は、「減価が反映」(購入者にとって保証などがないので評価が割引される。)が適応されます。このため競売の評価額には、2~3割の割引の評価が反映されています。
◎売却基準価格とは
裁判所が不動産の評価を行う鑑定士の評価をもとにして「売却基準価格」が決められます。最低売却価額での取引というよりも、「売却基準価格」の2割の相当額を差し引いた値段以上での売却価格が入札に反映されています。安く設定された評価から2割の差し引きがあることは、総合的には5割近い値段での取引が最低価格に相当してきます。
■投資から考える回収額とは
賃貸物件のアパートなどは、新しい物ほど競争率が高いのは、一般に出回っている不動産物件も同じことが言えます。では、投資対象の賃貸物件の考慮すべき点とは、何でしょうか。賃貸住宅の入札する価格の参考にしたい事は、物件の家賃の決定にも関係してきます。
家賃の回収から想定して賃貸物件となる競売の入札価格を決定することが、投資の対象として考えるべき事です。新しい賃貸物件と古い賃貸物件の比較や、周りの相場も考慮して家賃の設定を行います。
■不動産投資から考える対象外とすべきは
不動産投資の初心者の場合は、競売の物件に占有者がいる場合には、立ち退きの対応に苦戦したりします。こういった物件は避けるべきでしょう。競売物件のいる占有者は、ローンの負債を抱えているので家賃の回収は難しくなってきます。立ち退きに対しても、自己負担になる場合が多いので、時間と費用のデメリットが大きいでしょう。
「戸建て住宅」においては、目に見えない建材の破損の恐れがあります。通常の取引であれば、瑕疵保証(想定される損壊に対する保証)があるのですが、競売物件には、保証はないので、リフォームにかける資金も想定する必要があります。これは、投資におけるリスクとなります。
そこで不動産投資としての最初の対象とすべき競売物件とは、「ワンルーム・マンション」がねらい目となります。「ワンルーム・マンション」は、時期による影響を受けにくいので。通常の投資においても投資対象になりやすいのです。
■投資物件の把握
競売物件では、物件内の下見ができないので、物件明細書、現況調査報告書、評価書や登記簿による内容の把握が重要となってきます。以下の「競売の3点セット」が評価の参考とされます。
◎物件明細書
競売対象の権利関係が記載されています。「買受人が負担することになる権利」に「なし」とあれば権利関係がないことになります。「賃借権」と記載されていれば、住んでいる住人を追い出すことができません。「本件所有者が占有している」にも確認が必要です。
◎現況調査報告書
執行官による調査結果をもとにした記載です。現地に出向いての調査結果ですので信頼度が高いといえます。「土地、建物の形状や占有状況などの物件の状態」での占有者は、最も注意すべき点です。
◎評価書
裁判所による適正価格を記載したものです。目視できる範囲ですので正確な評価には疑問が残ります。マンションなら経済的残存耐用年数やマンションの管理費の滞納がないかどうかです。
■トラブルを避けるには、
競売物件は、競売にかけられる過程がローンや借金の負債によるものが大きく、所有者自体の感情面でも、トラブルの要因となってきます。競売で成功している話を参考にすると、裁判所に出向いて、執行官と競売者のやりとりを一覧できるので、執行官に対する受け答えに丁寧な対応している人であれば、信用度が高いといえます。競売の不動産投資で成功に近づけるのは、裁判所での資料の読み込みが一番重要なことになるのです。
不動産の賃貸管理や不動産の投資のことなら全ておまかせ、ご相談も「アブローズ」までご一報ください。