債務整理

競売における立ち退き ~家財の取り扱いに注意~

競売物件を落札しても、問題が残る場合があります。そこに住んでいる人の立ち退きと、残された家財の取り扱いについてどうすればよいのでしょうか。今回は、競売における立ち退きと家財の取り扱いの注意について紹介します。

不動産の引き渡し命令
競売で物件を落札すると、代金の納付を行って「買受人」から競売物件の「所有者」になるのです。通常の場合は、その流れで何事もなく、所有者の登記が行われて自分の所有物となります。

ですが、競売物件の元の所有者は、借金などの負債によって、仕方なく住んでいる家を競売にかけられる事が少なくありません。そのような場合の元の所有者が、お金もなくて、移転する事もできずに、居着いてしまう事になります。そのような場合には、出来る限り話し合いで退去をお願いするのですが、なかなかうまくは事が運ばないのが実情です。

それでも、この状況を解決しなければなりません。やむなく「立ち退き」を実行するには、どうすれば良いのでしょうか。

立ち退きの進行
やむなく居座る場合や、不法占拠を目的とする人もいますが、いきなり強制的な行動を取る事は法律に触れてしまいます。競売の不法占拠に対する法的手続きを行う事が重要なのです。

不動産の立ち退きを進めるには、裁判によって「建物明渡請求訴訟」を行います。この裁判で勝訴する必要があります。これによって、「強制執行」が実行できるのですが、裁判で勝訴するのが困難な場合もあります。

このような競売物件に対しては、「不動産引渡命令」という裁判所の決定を受ける事によって、特別に裁判に勝利するよりも早く、「立ち退きの進行」を行う事が可能になります。「建物明渡請求訴訟」の裁判には、3カ月から6カ月の時間を要しますが、「不動産引渡命令」では、早い場合ですと3~4日で決定してもらえるのです。仮に公売の物件の場合では、「不動産引渡命令」の扱いを行っていないので注意が必要です。

「不動産引渡命令」は、買受人と居住者の両方に通知されます。この1週間以内に「不服申立」が行わなければ、「不動産引渡命令」が確定します。「不服申立」があれば、通常の裁判に移行します。「不動産引渡命令」が確定すると、「強制執行」が10日位で実行されます。

強制執行に必要な事
1-予納金として65000円以上を納めます。引き渡しの為の送達証明書が必要です。強制執行の為の「執行文付与」を300円で取得します。強制執行の「申立書」が必要です。(収入印紙と郵便代で2500円ほどかかります。)

予納金は、裁判所の執行官の手数料や現場への交通費に支払われます。余った場合には、代金が戻る場合もあるようです。

家財道具や残ったゴミの扱い
強制執行では、鍵屋さんや荷物搬出の専門業者に対しての費用の支払いは買受人が用意する事になります。債務者(元の所有者)がお金を支払う事は困難なことが多いので、買受人はその分の費用を用意しなければならないのです。

およその金額ですが、50万円以上は必要だとみています。実際には、荷物やゴミの取り扱いによって、それ以上の費用がかかる事も考えられます。

残置物を勝手に処分するのは不法行為
前の所有者に話し合いで移動してもらうか、強制執行で買受人が借り倉庫などへの移動費用を受け持つ事になります。多くの場合は、請求しても支払いが不可能な場合となります。

まとめ
競売における立ち退きと家財の取り扱いに注意すべきです。手順を踏まなければ、逆に買受人が違法行為をした事になるからです。法的な手順に乗っ取って立ち退きと家財の取り扱いを行う必要があるのです。

競売に関する事や不動産の投資の事なら全ておまかせ、ご相談も「アブローズ」までご一報を下さい。

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