所得税、固定資産税、自動車税と色々な種類の税金を払わなければいけませんが、納税は国民の三大義務のひとつであり仕方の無いことかもしれません。
これらの税金のうち相続税は国税であり申告して納税となりますが、相続税の税務調査が大変厳しく行われることをご存知でしょうか。
税務調査が行われる可能性が高い相続税
相続税の税務調査が厳しい理由のひとつとしてその実施割合が挙げられます。平成27年分の事例を見てみますと、相続税の申告書の提出に係る被相続人数が約10.3万人に対して平成27年事務年度に行われた実地調査件数は約1.2万件で、相続税の申告を行うと10%以上の割合で税務調査が行われることを示しています。
平成26年分では約22%だったのですが、税制改正により平成27年から基礎控除額の引き下げが行われたことによって申告件数が増えたために割合は減りましたが高い確率で調査が行われることには変わりはありません。更に税務調査が行われた結果、何らかの是正や追徴課税が行われた割合は平成26年、平成27年ともに約80%となっています。これは相続税を正しく納税することが実に難しいということを示しています。
強い権限を持つ調査官
相続税の税務調査を行う調査官には非常に強い権限が認められています。司法による取り締まりを行うのが警察官の役目であるならば、税法による取り締まりを行うのが税務調査官だといえます。
被相続人の死亡については死後7日以内に役所に死亡届を提出することになりますが、役所から税務署に死亡についての通知と併せて被相続人の所有する不動産についても通知が行われます。不動産は高額なために相続税の調査の対象になるのです。
また、調査官は銀行口座の残高、入出金の履歴などを口座名義人の意思に関係無く調べることが出来ます。被相続人名義の口座については勿論、親族の口座についても調査が行われ、実質的に被相続人の口座ではなかったかどうかを調べることもあります。
ほかにも被相続人が被保険者であった保険契約について名義人とは別に実際には誰が保険料を支払っていたかについても調査を行い、保険金が相続財産になるかどうかなども調査します。
このように調査官はあらゆる調査を行って相続税が適正に申告されたかどうかをチェックするのです。
相続税に強い税理士がお勧め
相続税を専門とする税理士は数が少ないと言われています。相続税よりも所得税などの申告件数の方が圧倒的に数が多いからです。しかし、相続税は難しい制度も多く個人では対応が難しい税金です。
相続税に強い税理士に依頼をすることで納税額も大きく変わることがありますので多少の費用と時間が掛かっても相続税に詳しい税理士を探して税務処理を依頼するのがお勧めです。