相続による遺産分割を行う際に揉めてしまうことは良く聞く話です。しかし、親子や兄弟などの関係でお金に関することで揉めてしまうと上手く治めるのが中々難しいというのが実情ではないでしょうか。相続を円満に進めるにはどのような方法があるでしょうか。
円満な相続のために
もし、円満に相続の手続きを進めたいのでしたら、可能であれば相続についての話し合いを相続が発生する前から行っておくことがお勧めです。なかなか元気なうちは自分の死後のことを考えたり、向かい合ったりするのは難しいですが、準備を怠ることで取返しの付かないことになってしまうこともあります。
相続に伴う遺産分割で、残された肉親同士で訴え合うなどして裁判沙汰になったり、絶縁に近い状態になったりしてしまうことが実際にあるのです。
もし、生前から相続について話し合うことが出来ていれば、もしものときが起こったときの相続も円満に進めることができ、避けることのできたトラブルだったかもしれません。
生前から準備することのメリット
相続の手続きを行うためには、まず、遺産について目録を作成しなければいけません。この目録を作るためには、被相続人の所有していた遺産を全て洗い出すことが必要になります。本人しか分からない口座があるとなると、その口座に気づくことも難しいですし、探すとなると大変な作業となります。
銀行に問い合わせをしたり、被相続人のパソコンを調べたりと計り知れない労力が必要となるのです。しかし、生前から相続について話し合いを持っておけば、このような手間が不要となりますし、円満に手続きを進める秘訣ともいえます。次に相続人が誰になるのかを明確にしておくことも大切です。遺産分割協議が終わったところで、実は別に相続する権利がある人が現れたとなると協議自体ががやり直しになるからです。
また、遺言を書くという意思表示を事前にしておくことも出来ます。
相続税対策の検討
相続税対策も生前から準備するのであれば、有効な手立てが複数あります。例えば遺産の総額を抑えるために評価額の計算が時価に比べて低くなる賃貸用不動産を購入したり、生命保険加入による非課税枠を利用したりすることで相続税の負担を軽くすることを検討することができます。
これらの対策は相続が発生してからでは間に合いません。無税の贈与を継続して続けることも相続税対策として有効です。また、相続税の納税が避けられない場合には、どの不動産を処分するかということも事前に検討しておくこともできます。
以上のような点からも円満に相続を進めるために生前からの話し合いを持たれることをお勧めします。