マンションの販売会社からマンション投資を勧められる際の宣伝文句に、マンション投資は節税の効果があり納めていた所得税が還付されるというものがあります。
確定申告における所得の計算の過程における損益通算という制度がマンション投資の節税ポイントとなります。
損益通算とは何か
マンション投資による所得は不動産所得となりますが、不動産所得は家賃収入からマンション経営に必要な経費を控除して算定します。
サラリーマンの方であれば年末調整によって、生命保険料の控除や扶養控除などを行いますが、不動産所得がある場合には確定申告を行う必要があります。
確定申告とは1月から12月までの所得額を計算し、所得に課税される税金を納めるための手続きです。
もし、不動産所得が獲得した家賃収入よりも経費のほうが多ければ赤字となりますが、当該赤字額を一定のルールに沿って黒字の所得と相殺することが出来ます。
この相殺を損益通算といいます。
損益通算による節税の仕組み
損益通算が認められる所得は限定されていますが、マンション投資による不動産所得は損益通算が認められています。
マンション経営などによって赤字となった不動産所得は、経常所得と呼ばれる事業所得、利子所得、配当所得、給与所得、雑所得の黒字の所得から控除することが出来ます。
一般的にサラリーマンの方であれば給与所得は黒字ですから、不動産所得の赤字を給与所得と相殺することが出来ます。
給与所得に課税された所得税は、既に年末調整によって確定した金額を納税していますので、確定申告で損益通算することで課税対象となっていた給与所得が減額されることになります。
減額となった給与所得の分に対応する所得税は納め過ぎということになるため、既に納めていた税額のうち払い過ぎていた所得税が還付されるという仕組みなのです。
もし、損益通算で上記の経常所得から不動産所得の赤字を控除しきれない場合には総合課税の譲渡所得、一時所得、山林所得、退職所得の順で控除していくことが出来ます。
赤字と節税
給与所得があるサラリーマンであれば、不動産所得が赤字となると損益通算によって税金が還付されますが不動産所得の赤字額以上に税金が還付されることはありませんので注意が必要です。
減価償却費は現実の支出を伴わない経費であるため、マンション投資では減価償却費の計上による赤字額となったとき節税の効果が高くなります。
マンション投資が節税となる仕組みの源である損益通算についてしっかりと理解した上で投資を始めることが大切です。