住宅ローンの返済滞納を続けてしまうとやがてマイホームに設定した抵当権が実行されて競売となってしまいます。
また、住宅ローン以外の借金で抵当権の設定が無い場合でもマイホームが差し押さえられてしまい競売になることがありますが、どのようなケースでしょうか。
• 債務名義
住宅ローン以外の借金で抵当権の設定をしていない場合であっても返済の滞納を続けていると、債権者が裁判などによって債務名義を取得し、マイホームを差押えて競売に掛けられることがあります。
債務名義とは裁判所のホームページによると、「強制執行によって実現されることが予定される請求権の存在、範囲、債権者、債務者を表示した文書のこと」となっています。
具体的には「確定判決」「仮執行宣言を付した判決」「仮執行の宣言を付した支払督促」「金銭の一定の額等を目的とする請求について公証人が作成した公正証書で、債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述が記載されているもの」などです。
このような債務名義を取得することによって債権者は裁判所に債務名義に基づいて競売を申し立てることが可能となるのです。
• 差押え
債務名義に基づく強制競売の申立てにより、不動産を差押えて競売に掛けることが可能となりますが、裁判などで債務名義を取得する場合には長い期間を要する事となります。
この間に債務者が不動産などを売却してしまって消費しやすい金銭に換えられてしまっては、滞納となった借金を回収することが難しくなる可能性が高くなります。
このため債権者は不動産仮差押えを申し立てるケースが多くあります。
仮差押えを行うためには担保金が必要といったデメリットはありますが、1週間程度で手続きが完了しますので長期に渡る裁判を行うに当たっては有効な手段となります。
裁判所から仮差押えの命令が出ると、登記簿に仮差押えの登記がなされます。
当該登記後であっても所有者は不動産を処分することが出来ますが、債権者が裁判に勝訴することで仮差押え登記後に行われた債務者の処分行為は全て無効となります。
• 早目の対応
債務者の借金の返済が滞納となってしまえば、債権者としても借金の回収をするための手配をしなければなりません。
マイホームが競売となってしまうと一般の売却価格よりも相当安い金額での売却となってしまい債務者にとってはデメリットが大きくなります。
マイホームを手放さなければ滞納した借金の返済が出来ないという状況であれば、任意売却を行う不動産会社に相談をお勧めします。
債権者との交渉を行いながら一般売却市場での不動産の売却を行ってくれますので借金の返済でお困りの場合にはご一考ください。