競売における申立てをした場合に、その対象となる土地の範囲に未登記の建物が存在する場合があります。その場合に競売が実行できるかどうか心配になることでしょう。今回は、競売における未登記の建物が存在する場合の対応について紹介します。
■未登記になる建物の存在
不動産の登記では、土地と建物を別々の不動産として捉えています。その為に登記もそれぞれに登記をする必要性があります。建物の登記に関する場合に、建物に対して抵当権を設定しないことも「ローンの借り入れ」ではありえることなので、未登記のままになる場合があります。
同じく、建物に付属する小屋や倉庫なども未登記の建物になる場合があります。未登記とは言っても「所有者の推定力」(実体的権利関係が存在する意味)が未登記についても有するものだとしています。これは、第三者に対して対抗できるものとなっています。
このことから、未登記の建物の存在はトラブルの元になりかねませんので、不動産の売却においては登記することが望ましいです。
■競売をおこなう時の未登記の建物
競売をおこなう場合には、「登記の建物」について誰が所有者なのかを調べる必要があります。売却する建物の付属物として倉庫などの所有者を明確に判断することができれば、建物の処分に一括で処分の対象になります。
未登記の建物が附属建物として認定されない場合は、問題となり、土地の抵当権を設定した時期において未登記の建物が存在していたかどうかの建設時期が問題点になります。
この場合の抵当権のある者は、抵当権を設定した状況を把握した上での設定がなされているとして、担保物件の価値を下げるこの存在に対して対抗措置を持っていることになります。
未登記の建物に居住者がいた場合には立ち退きなどが注意点になりますが、権利関係に影響はないのです。
■競売の対象とならない場合
「未登記の建物」が競売物件の土地上にあった場合でも、競売の対象とならない場合には、取り扱いに注意が必要です。「借地権の成立」や「法定地上権が成立」がある場合の「未登記の建物」の土地に対する権利を調べておかなければ競売による不利やトラブルにつながるものです。
◎「借地権の成立」とは
①その建物に借地人の登記をしていること
借地人は借地上の建物の登記をすることにより第三者に対抗できるとなっています。
②借地上に建物が存在していること
所有権保存登記がなされた建物がある場合に対抗できるとなっています。
◎借地上の建物を売却するには
①借地上の建物の売却には必ず地主に相談する義務があります。
②無断で借地上の建物を売却した場合に地主の承諾がないと借地契約を解除できます。
(その建物に住むことは不法占拠にあたる)
◎「法定地上権が成立」
他人の土地の上に地上権を法律によって守られている事です。競売での価値を下げる要因となります。この場合には地主の承諾を得て「土地を借りる権利」や「土地を使用する権利」が必要なので地主に対して土地代を払うことになります。
■まとめ
競売における未登記の建物が存在する場合は、所有者を調べて権利関係をはっきりさせた上で対応します。
競売に限らず「借地権の成立」や「法定地上権が成立」がある不動産の売却は価値を下げることなので場合によっては、競売をとりやめることも必要です。競売よりも高く売れる「任意売却」をお勧めしています。
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