分譲マンションの購入に際して「マンションは管理を買え」ということが言われるほどマンション管理は注目されてきました。。マンション管理の課題と今後について考えてみたいと思います。
拡大を続けるマンション市場
従来はマイホームといえば戸建住宅でしたが、マンション市場の拡大が進み今では多くの方がマンション住まいをしています。特に建築技術の進歩もあり都心部などでは高層のタワー型マンションが多く建築され、ランドマーク性や利便性から大変人気となっています。しかし、一方で老朽化の進むマンションでの維持管理や建替の問題、管理組合の組合員の多くが高齢者となったことで組合活動の継続に課題を抱えるマンションが出始めています。
このような問題の背後にはマンション管理の問題があり、今後も増え続けていく同様の問題にどのように対応していくかが大きな課題となっています。
マンション管理に対する考え方
「マンションは管理を買え」ということが盛んに言われる時期がありました。この言葉の意味するところは、マンションは物件の構造やスペックなどよりも管理に注目して購入すべきであるということです。
確かに区分所有者が支払った管理費によって管理組合から管理委託を受けた管理会社がマンションの管理を行うのですが、本来は区分所有者が自らのマンションの価値を維持するために管理は行うものです。したがって、管理会社に委託を行っているとしても管理会社と共に維持管理の方法を構築し、実践していくものなのです。しかし、マンション管理の実態としては、マンション管理会社に任せっきりとなっているケースが少なくありません。
確かに忙しい日常のなかでボランティアに近い形で管理を行っていくことはなかなか出来ることではありませんが、少なくとも今後はマンションの維持管理に関して高い意識を持つことが求められるようになってくることは間違いありません。
今後のマンション管理
新築マンションではマンションの販売側で既に管理会社が指定されているケースが殆どです。請け負っている管理会社が管理組合の利益を第一に考えて維持管理、大規模修繕計画の立案を行ってくれれば良いのですが、管理会社は自らの利益や親会社、関連会社の利益を優先するようなところでは管理の質が悪くなり、マンションの資産価値は早々に落ちていくことになります。
今後は管理会社に任せきりではなく、居住者、所有者が管理組合の活動を通じて積極的にマンション管理に関与していく必要があります。これによって建物の老朽化や高齢化の問題にも取り組むことが出来るようになり、結果としてマンションの価値を保つことにつながっていくことになります。