相続

相続定期預金利用のメリットとデメリット

相続が発生したら被相続人が所有していた財産の評価を行い、相続税が発生するのであれば被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10カ月以内に申告と納税を行わなければいけません。被相続人から相続した現金などは相続税の納税に備えなければいけませんので納税額が確定するまでは手元に残しておきたいという方も多いことでしょう。その様なときは相続定期預金を利用するのが良いかもしれません。

■相続定期預金とは

銀行には普通預金のほかにも定期預金といって預け入れの期間が定められた預金があります。定期預金は普通預金と異なり定めた期間は自由に引き出すことができないために金利が高めに設定されています。

スーパー定期、大口定期などいくつかの種類がありますが、地方銀行や信用金庫などでは相続定期預金を取り扱っている事があります。相続定期預金では相続した現金や相続した不動産、株式などを売却して得た資金などに限って通常の定期預金よりも高い金利で預け入れることが可能です。

■相続定期預金の特徴

相続定期預金に預け入れができるのは個人のみであり、法人は対象になりません。また、預け入れることができる資金は相続した資金であり、金融機関の多くが預け入れの期限を被相続人が死亡した日から1年以内としています。定期預金の期間は金融機関によって異なりますが、3カ月、6カ月、1年という設定をしているところが多いようです。

また、通常の定期預金と大きく違う点としては、相続財産であることを金融機関が確認を行うため必要となる書類が多く、窓口での申し込みが基本となり、インターネットやATMでの申し込みをすることができないのが通常です。

なお、相続の手続きを行った金融機関であれば、当該手続きにおいて多くの必要書類が揃うために改めて提出する書類は本人を確認する書類と届出印程度となります。相続手続きを行った金融機関と別の金融機関で相続定期預金を行う場合に公正証書や遺産分割協議書などの書類が必要になります。

■相続定期預金のメリットとデメリット

相続定期預金を利用することのメリットは、何といっても高い金利で預け入れができるということです。短い期間ではありますが、3カ月の定期であれば1%を超える金利の設定を行っている金融機関もあります。一方、デメリットとして相続手続きを行った金融機関以外での利用は必要とする書類が多く、手続きが煩雑になることです。

相続した資金については一旦金融機関に預け入れておくということが多くなると思いますので、預け入れ期間が短くとも高金利が適用される相続定期預金は利用者にとっては有利な預金であることに間違いはないと言えるでしょう。

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