不動産に興味や関心をお持ちの方なら、一度は耳にしたことがある”競売(けいばい)”という言葉。この言葉の意味を詳しく知っていますでしょうか?「初めて聞いた。」と言う方はもちろん、「知っているよ。」と言う方も、競売の意味を正しく、より深く理解する為に、もう一度一緒に、おさらいしてみましょう。
強制競売と担保不動産競売
不動産の競売には、大きく分けて、強制競売と担保不動産競売の二つがあります。まずは強制競売とはなにかから説明します。
債務者(税金を滞納している人など)が所有している不動産を、債権者である国や地方行政機関が裁判所へ訴え、それに基づいて裁判所が競売を行い、その落札金額を債務の弁済(税金の支払いなど)に充てる事です。債務者の同意を必要としない為、”強制”競売と呼ばれています。
では、担保不動産競売とはどういうものでしょうか?
例えばローンを組んで住宅を購入した場合、お金を貸した金融機関はその住宅に抵当権と言う権利を設定します。この抵当権を持っていると、債務者がローンの支払いが出来なくなった場合(又はその意思がない場合)に、抵当権を行使して、担保していた住宅を売却し、その代金をローン支払いに充てさせることが出来ます。
誰にでも、そうなる可能性は、ある
マイホームは多くの人にとって、人生最大の買い物になります。建物、または土地と建物の購入金額は数千万円にもなるでしょう。そして、マイホームを買う時には多くの人がローンを組みます。銀行などの金融機関からお金を借りる、つまり借金をするのです。この借金を毎月数万円ずつ、数十年掛けて支払います。この支払が、何らかの事情で滞った場合、最終的に取られる手段が競売なのです。
競売と普通の不動産売買の違い
一般的な不動産会社が、まず扱わない様な極端に狭い土地や、建物の立て難い変形地(三角形の土地など)も売りに出されるので、その様な物件を求める人にとっては、魅力的な物件に出会う可能性が高いシステムと言えます。
しかし、良い事だけではありません。
一般的な売買であれば、当然ある引き渡し義務がないのです。つまり、住宅に供する建物の競売の場合、住人がそのまま居座り、せっかく買い受けても、建物が自由に使えないということが起こり得るのです。また、不動産を競売に掛けることを求めた債権者にとっても、売却価格は、一般的な不動産取引の価格(市価)に比べて低い価格になることが多く、十分なお金を回収できないことが多いのです。
まとめ
競売は、債権者にとっても債務者にとっても、満足のいく結果に成らない事が多いのですが、マイホームのローンが支払えず、競売によって手放すという事態を迎える人が多いのも事実です。
不動産のことに関して何か疑問や困りごとがありましたら、お気軽に「アブローズ」までご相談ください。