債務整理

競売における「売却基準価額」を簡単に理解しよう

「売却基準価額」、言葉だけで難しいイメージをお持ちではないでしょうか?競売は裁判所での手続が進むにつれて売却基準価額が決まります。何を基準に価格を決めるのか?売却基準価額のことを、これから紹介したいと思います。知って損はありません。

売却基準価額は競売における裁判所が決定するシステムですが、市場での価格よりも低く設定されることがほとんどです。

それによって競売物件はお買い得、安いと皆さんは思うわけです。なぜ裁判所が決める売却基準価額は低めに設定されているのでしょうか。まず挙げられる点は、競売という特性が考慮されて減価されるからです。その特性をまとめて見てみましょう。

低めに設定される理由

・競売物件というイメージと抵抗感
・協力的でないケースが多いため、主に売主(債務所や所有者)
・現状として内覧制度はあるが、あまり利用されないため買受申出人が物件内覧できない
・リフォームなどがされず、そのまま引き渡されるのがほとんど
・もし落札した場合、代金を一か月以内に一括払いで支払う必要がある
・買受人は売主に対して明け渡しなど、直接交渉しなくてはいけない(法的手続きで明け渡しを求めるケースなどもある)

上記のような事情のため、売却基準価額は市場価格より低く設定されているが、結果的には市場価格より安い取引ができるので買受人の考え方次第になります。また各地方で多少は異なりますが原価率については概ね約60%前後とされるケースが多く、都内だとまた話は変わってきます。

なぜ売却基準価額制度が出来たの?

少し前の競売では「最低売却価額」という制度でした。この制度ですが、裁判所が決める最低売却価額よりも少しでも高い金額を入札方法としていました。

しかし、この制度だと市場価格よりも高く価格設定されるケースがでてしまい、結果入札件数も少なくなり、競売取引が不成立に終わることが問題となり現在の「売却基準価額制度」に変更された理由となったのです。

売却基準価額制度の良さ

以前の制度だと取引不成立が多く出てしまったため、買い手が付かない問題がありましたが「売却基準価額制度」は、基準価格を20%下回る価格でも入札が可能になった点が大きく効果を発揮しています。競売の最低入札額は低くなり、入札者が増える、競売取引が不成立になる問題が解消されたわけです。

まとめ

売却基準価額について理解できでしょうか?安く設定される理由はその特性上、低めの設定をされており、その安さで人気があるようです。以前の制度では価格設定は高く設定されてしまい、入札件数そのものが減り買取不成立が多く「売却基準価額制度」になってからは、競売での物件は売れるようになってきました。

不動産のことに関して何か疑問や困りごとがありましたら、お気軽に「アブローズ」までご相談ください。

ピックアップ記事

  1. 在宅ローンの老後破産リスクは任意売却で回避しよう
  2. 後妻の子の相続における取り扱い
  3. 実は厳しい税金滞納への対応
  4. 不動産の売却に年齢制限はある?
  5. 住宅ローンによる隠れ貧乏にならないために

関連記事

  1. 債務整理

    競売の入札における代理人に対する委任状

    競売において、代理人による入札を行う場合があります。第三者による競売の…

  2. 債務整理

    競売手続きで住宅が差し押さえに!

    住宅ローンの支払いを滞納していると、借入先の金融機関から催促の電話がき…

  3. 債務整理

    競売までのスケジュールと届く文書について

    住宅ローンの返済が難しく滞納が続いてしまった場合、財産を差し押さえられ…

  4. 債務整理

    相続財産から債務を控除して相続税を安くしよう!

    相続税は一定の金額を超える場合に亡くなった方の遺産(相続財産)を相続で…

  5. 債務整理

    競売においての余剰金は、誰のものか?どうなるのか?

    余剰金は「よじょうきん」と読みます。言葉の意味は「余ったお金」という意…

  6. 債務整理

    競売した場合に残りの債務対処方法

    投資家と競売債務者との接点は、落札後の立ち退きの際となります。直接関係…

おすすめ記事

おすすめ記事2

特集記事

アーカイブ

  1. 賃貸オーナー様

    家賃滞納者には通知書(督促状)で対応しよう
  2. 債務整理

    競売売却物件の取得決定要件とは?
  3. 離婚と不動産

    家の建築中に離婚した場合
  4. 債務整理

    競売物件に賃借人がいる場合
  5. 不動産基礎知識

    不動産競売申立に必要な書類と費用について
PAGE TOP