競売において「保管金」や「供託金」という言葉を耳にすることがあると思います。今回は、その競売の「保管金」とは何か?そして、そのお金は何に使われるのか?について2つのポイントに分けて見ていきましょう。
競売の保管金
競売の「保管金」とは、裁判所で預かる(管理する)お金のことをいいます。競売での「保管金」には大きく2種類あり、1つ目は「予納金」。そして、2つ目に「保証金」があります。どちらも同じ「保管金」と呼ばれますが、そのお金の意味や利用目的は大きく異なります。
「予納金」
この「保管金」は、競売を申立てる際に裁判所に支払うお金です。したがって、債権者が申立て書類と共に準備し納めます。「予納金」は、競売にかかる費用などに使われるため、もし不足した場合は追加しなければなりません。
また競売によって売却できた場合は、売却金から「予納金」やその他の経費(印紙代、切手代、登録免許税)も返還されます。しかし、競売では「無余剰取消し」や落札者(買受人)がないなど売却ができないことは多々あります。この場合、売却金がないので費用を差引いた残金が返還されますが、金額は半分以下になると考えてください。
「予納金」の金額
金額に関しては裁判所により異なりますが、だいたい50万~100万が一般的です。なお、「印紙代、切手代、登録免許税」などは別途手続き費用としてかかります。
「予納金」の使途
〇差し押さえ登記の嘱託費用
〇現況調査費用
〇評価人に支払う評価料
〇競売物件の情報を載せる新聞広告費
〇開札期日の主宰(執行官による)売却実施の手数料
〇「開始決定正本」の送達費
〇「催告書」送付費
〇「代金納付期限通知」通知費用
〇「配当呼出」送達費
「保証金」
競売に参加して入札を行うために、納める供託金のことを「保証金」(入札保証金)といいます。「保証金」は、競売不動産の「最低売却価格」の2割と決められています。このお金は、競売に参加し落札ができなかった場合は返還されます。
また、落札した場合の「保証金」はそのまま「手付金」として使われることになるので、落札した金額から「保証金」が差引かれた金額(残額)を納めることになります。残額を納めない・取り消したい場合などは、ペナルティとして「保証金」は没収となり返還されません。
まとめ
競売の「保管金」について書いてきましたが、2つの保管金はまったく違う意味合いのものです。「予納金」は、競売の経費や費用をまかなうためのお金で、落札されても満額で返還されることはないということです。また、「保証金」については競売が終わると落札した人は内金として落札しなかった場合は返還となりますが、落札した人が残金を納めなければ没収となります。
落札したが、物件をリフォームしたり占有者とのトラブルなどで保証金をあきらめるほうが安くすむケースも多いようです。このことからも、落札してからのリスクも高いことがわかります。競売を検討される方は、専門の業者や不動産をお勧めいたします。
競売に関する事や不動産の投資の事なら全ておまかせ、ご相談も「アブローズ」までご一報を下さい。