不動産競売という言葉は聞いたことがあっても、実際に参加するとなると経験がないと不安ですよね。今回は、競売に参加するときの「注意点・ポイント」を、競売のスケジュール(流れ)にそって、説明していきましょう。
競売の参加資格
競売の参加は、基本的に債務者以外であれば誰でも参加することができます。ただし、農地の場合に限り、農地法の制限があるため「適格証明書」が必要です。また、個人だけでなく法人としても参加が可能となり、その場合個人は「住民票」、法人の場合は「登記簿謄本」(資格証明書)が必要です。
物件選びと調査
不動産物件は、所在地を管轄する裁判所で競売が行われるため、自分が購入したい地域の裁判所や最近では競売物件の専門サイトなどがあるので、それを利用して選ぶ方も多いようです。物件を選ぶポイントとして、裁判所で作成される「3点セット」(現況調査報告書・評価書・物件明細書)を確認します。
その中でも、「物件明細書」に記載なしとある物に関しては良い物件といえます。その意味は、不法占拠者などがいないということになるからです。不法占拠者がいなければ、落札後に立退きの処理などが、不要になるため処理がスムーズに進みます。その他の情報については、現地に赴き物件を確認することが大切です。しかし、物件の内覧などができないため、中の状態は確認できません。これも、競売の注意・ポイントとなります。
入札期日
入札には、まず入札金額を検討し入札に必要な書類を準備しなければなりません。事前に競売に参加するには、その物件の「売却基準価額」(裁判所によって決定される)の20%以上の「保証金」を納めなければなりません。
「保証金」を納めた際に発行される「保証金振込証明書」を書類に添付し、入札に必要な書類を執行官に提出することになります。入札期日までにすべてを準備し提出しなければ、参加できません。
開札と発表
開札後、一番高い入札価格の入札者が落札します。落札者と次点(2番目に高い人)の落札者が買わない場合に、買受ける申し出をした時以外は(次順位買受申し出)、10日前後で各自の銀行口座に返却されます。落札後、売却価格から保証金を差引いた(残金)を納められないばあいは、キャンセルとみなされ保証金は没収となります。
入札がない場合は、「特別売却」として一定の期間において買う人を早いもの順で募集します。再度、期間入札を3回実施してそれでも買い手がいない場合、裁判所により債権者へ「競売手続停止通知書」を通達します。
通達後、3ヶ月以内に申立てをすることで競売が行われますが、申し立てがない場合は手続きの取消しとなります。この申し立てをして、競売が実施されても買い手がない場合には手続きが取り消されます。
売却許可決定
売却決定期日は開札から1週間と決められており、問題がない場合は裁判所から「売却許可決定」が出されます。この決定からさらに1週間後に確定となりますが、その間に「執行抗告」が出た場合は、手続きが中断されることになり期間も1~2ヶ月かかる可能性があります。
代金納付期限の通達
代金の納付期限が記載された「代金納付期限通知」が、裁判所より通達されます。期限としては約1か月となり、必要書類の提出と残金の納付が必要です。
引渡命令
買受物件に占有者がいる場合、引渡を求める「引渡命令申立」をします。明渡し交渉が進んでいる場合でも、「強制執行」行えるように準備をしておく必要があります。
登記識別情報通知書
残金の納付後、裁判所により登記移転の手続きが嘱託され登記が完了すると、この書類が送達されます。登記移転は必要書類を提出すれば、自分で手続きをする必要はありません。
強制執行申立て
引渡命令通達後、「執行抗告」をされることがありますが、棄却・却下されると「引渡命令」は確定され、予納金を払い「強制執行」申立てをすることになります。
強制執行
はじめに占有者への「催告」がおこなわれ、立退きがされない場合は断行となります。断行をする前に「明渡し交渉」をしましょう。断行の費用は債務者が払うことになっていますが、立ち退き料を払うことで債務者が明渡しに応じることもあり、費用を抑えることができます。
まとめ
競売の注意点(ポイント)を説明してきましたが、ざっくりと書いただけでも結構な量になります。このことからも競売のリスクや難しさが伺えます。競売を検討される方は、十分に考慮し進めなければなりません。その際は、専門の業者や不動産を活用されるのも良い方法でしょう。
競売に関する事や不動産の投資の事なら全ておまかせ、ご相談も「アブローズ」までご一報を下さい。