不動産基礎知識

競売物件の買い方は一般的な不動産売買と何が異なる?

不動産の競売物件は、一般的な不動産場売買における価格相場と比較して安く買うことができるということで人気が高まっています。なぜ安く買えるのでしょうか。競売物件の買い方にもその理由があるのでしょうか。

LP_banner_02

■競売物件の売却スケジュール
裁判所では債権者の申立てにより、数多くの競売物件が取り扱われています。申立てを受けた裁判所は、競売開始決定の通知を債務者に送付します。ここから競売物件の調査、評価が行われ、競売の公告、期間入札の実施と進みます。

競売物件の入札希望者は、競売の公告から期間入札の終了日までに競売物件の調査を行って、入札額を決定し、入札をしなければいけないということになります。広告から入札開始までは裁判所によっても異なるかと思いますが、おおむね3週間程度です。

したがって競売物件の買い方の特徴のひとつとして、物件を調査する時間が限られているということが挙げられます。

■競売物件の調査の仕方
競売物件の買い方において、物件の調査方法にも特徴がみられます。一般的な売買では仲介業者が物件の説明や内見の段取りなどを行ってくれますが、競売では全て自分で調査し、確認を行わなければいけません。

裁判所から入手できる物件に関する資料は、3点セットといわれる「物件明細書」、「現況調査報告書」、「評価書」が主だったものです。「物件明細書」には物件を落札しても引き継がなければならない権利などの記載がされています。「現況調査報告書」には、執行官が物件に赴き調査した結果がまとめられており、土地建物などの物的状況のほか占有者についての記載もあります。「評価書」には不動産鑑定士による競売物件の評価内容が記載されています。

物件の調査は、これらの3点セットをもとに行いますが、実際に現地に赴き物件の調査はもちろん競売物件に住んでいる方の確認、周囲に住んでいる方から債務者の評判を聞いたりなどの調査を行ったりすることもあります。また、物件の中までは基本的に確認できないのですが、なかには物件の中を見せて貰えるように交渉するような方もいらっしゃいます。

このように競売物件の買い方として希望者が自ら色々と調べることが重要となります。

■入札価格の決定
調査結果を踏まえて入札価格を決定し、入札に臨むこととなります。このとき競売物件には瑕疵担保責任がなく、裁判所に物件の引き渡し義務もありません。こられのことを十分に考慮に入れて入札価格の検討するため競売物件の価格は一般的な売買市場よりも低くなるのです。

これらを十分に理解しておかないと競売への参加は危険です。任意売却は一般的な売買市場と同水準での売買が期待できますが、競売ですと価格が相当に安くなるというのは、買い方にこのような特徴があることも大きな理由のひとつなのです。

LP_banner_02

ピックアップ記事

  1. 不動産の売却に年齢制限はある?
  2. 不動産投資による不労所得を得るための仕掛け作りとリスク
  3. 実は厳しい税金滞納への対応
  4. 在宅ローンの老後破産リスクは任意売却で回避しよう
  5. 不動産売却の時に重要な登記費用について

関連記事

  1. 不動産基礎知識

    抑えておきたい!競売不動産における交付要求

    不動産を購入し、何らかの事情で住宅ローンの支払いが滞ってしまった時、裁…

  2. 不動産基礎知識

    目標を持って不動産投資を行うことの重要性

    歴史的な低金利が続いていることもあり、資金調達が容易になったことから不…

  3. 不動産基礎知識

    住宅ローンの支払いの督促を受けたなら

    長い期間に渡って返済を続ける住宅ローンですが、ときには思わぬ出費のため…

  4. 不動産基礎知識

    家の売却の際には、知っておくべき評価額【公示地価と実勢価格】!

    家を売却したい方にとって一番と言っていいほど気にかかることは、売りたい…

  5. 不動産基礎知識

    住宅ローンの更新時において検討しておきたいこと

    住宅ローンの借入にはいくつかのプランがありますが、固定金利特約型のよう…

  6. 不動産基礎知識

    住宅ローンにおける催促と督促の違い

    催促や督促は貸したお金の返済や約束したことの履行などを求めるときに使わ…

おすすめ記事

おすすめ記事2

特集記事

アーカイブ

  1. 不動産基礎知識

    抵当権付きの物件を競売で購入するときの注意点
  2. 債務整理

    債務の返済における優先順位について
  3. 不動産基礎知識

    競売の費用は原則として債務者の負担
  4. 相続

    相続において相続人が兄弟のみの場合の負担増
  5. 不動産基礎知識

    競売における申立とその後の流れはどの様になるのか?
PAGE TOP