様々な理由で、持ち家を売却しなければならないという状況に陥ることがあります。その際に住宅ローン返済が苦しい状況になった場合、考えられる手段は「任意売却」と言えるでしょう。ここでは任意売却の際、必要な同意書について見ていきましょう。
2つの同意書
通常の売買契約書との大きな違いは、債務超過であり、売却には物件所有者が債権者の同意を得ることが必要だということです。任意売却を通しての不動産取引では、その点について、売主が不利益を被らないように不動産売買契約書に特約条項を記載する必要があります。
同意書1~差押登記及び抵当権を抹消する特約条項~
任意売却の場合、登記簿においても、債権者の差押登記や抵当権が設定されています。これを抹消しなければ売却することが出来ないために、特約条項を記載する必要があります。
もし、この条項を追加せず売買契約を結んでしまいますと、場合によって、債権者の抵当権抹消の同意を得ることができず、買主から損害賠償として請求されることになってしまいます。任意売却の際には必ず記載しなければならない重要な特約条項となります。
◎抵当権とは?
住宅ローン等を組む際、自身の不動産などを担保として提供します。金融機関は、借入金が返済されない場合、その不動産を差し押さえることができます。すなわち、担保に差し出していることを言い、これを抵当権と言います。
◎差押登記とは?
不動産物件の所有者がローンの支払いを滞納している場合、滞納分を債権者が回収するために、「債権者の財産」となる不動産を売却したり、人に貸したりして滞納金額を回収するときに発動する登記を差押登記と言います。
なんの手続きも踏まずにいると、売主が債権者に対して借入金を全額返済しなければ、不動産は強制的に売却され、所有権を失うことになります。ですので、不動産売買のときの差押はじゅうぶん注意すべきことなのです。
同意書2~売主の特約条項~
「売主の瑕疵担保責任と付帯設備の修復義務を免訴する」特約を同意書として取っておきます。一般的な売買契約では、買主に物件を引き渡した後に、生活していく上で支障をきたすような建物や土地の欠陥(排水管の障害、雨漏り、害虫など)が発生した場合、売主は修復費用の全額負担を負う、「瑕疵担保責任」が必要になります。
しかし、任意売却においてはそうした責任について、売主は一切の責任を免れる特約条項を追記することができます。また、給湯器や食洗機といった設備も引き渡し後、不具合があっても修復の責任は負わないという条件を追加します。
まとめ
いかがでしたでしょうか? 任意売却は通常の不動産売却と違い、同意しておくことが必要な条項があることが理解できたかと思います。スムーズな売却のために、欠かせないものとなりますのでご注意ください。
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