不動産基礎知識

夫婦で借りて、返済する住宅ローン

マイホームを購入する際に全額を自己資金で支払われる方は少数で、ほとんどの方は大なり小なり住宅ローンを利用されるのではないのでしょうか。
気に入った物件が見つかったけれども、あともう少し借り入れが出来ればということもあるかと思います。そんなとき共働き夫婦であれば、その利点を活かして借入限度額を増やすという方法があります。

LP_banner_02

■夫婦の収入合算
借入額は収入によっても限度額が設定されます。収入合算とは、この限度額を引き上げるために夫婦の収入を足し合わせることです。収入合算による借入には連帯保証型と連帯債務型の二つがあります。
連帯保証型は、ひとつのローンに対する債務者は主たる債務者一人となります。夫が主たる債務者であれば収入合算者である妻は連帯保証人として返済が滞った場合に債務を引き受けることになります。
連帯債務型では、住宅ローン控除を受けられるのは債務者だけであり、収入合算者は団体信用生命保険にも加入できないためメリットは少ないといえます。
連帯債務型は、ひとつのローンに対して夫婦が債務者となります。したがって債権者は夫婦どちらに対しても債務の履行を請求できることになりますが、住宅ローン控除を夫婦それぞれが受けられるというメリットがあります。デメリットとしては、連帯債務型で申し込みができる住宅ローンの取り扱いを行う金融機関が少ないことが挙げられます。

■夫婦でペアローン
ペアローンは、夫婦がそれぞれ住宅ローンを組むことです。マイホームひとつに住宅ローンの契約が二つになりますのでローンの諸費用は2本分となりますが、メリットも多くあります。
ひとつは夫婦がそれぞれ住宅ローン控除を受けられること、もうひとつがそれぞれが団体信用生命保険に加入することができることです。ローンの諸費用は概ね1年から2年の住宅ローン控除で回収できてしまいます。

■夫婦で足並み揃えて返済を
収入合算でもペアローンでも、これらを行う目的は借入額を多くすることだと思います。借入額を多くすれば当然ですが、返済額も多くなります。
夫婦で足並み揃えて返済を続けられるのであれば良いのですが、長い返済期間にはどちらかが職を失ってしまったり、収入が減ってしまったりということもあるかもしれません。そのようなリスクも認識した上で借入額と返済額を検討するようにしましょう。また、離婚ということになった場合であっても連帯保証人を外れるということは実際には難しいことも認識の上でご検討ください。
もし、様々な事情で返済を続けていくことが困難となってしまった場合には、出来る限り早く金融機関に相談するようにしましょう。早目の相談をすることで家を手放さないという選択も含め幅広い対応策が立てられます。もし、家を手放すという選択をされるのでしたら、競売以外にも任意売却という方法がありますので、その時にはご検討ください。厳しい局面にあっても夫婦で乗り切っていただければと思います。

LP_banner_02

ピックアップ記事

  1. 不動産売却における委任状取り扱い説明書
  2. 不動産投資による不労所得を得るための仕掛け作りとリスク
  3. 不動産の投資で不労所得生活を始めていくために考えること
  4. 不動産売却の時に重要な登記費用について
  5. 住宅ローンによる隠れ貧乏にならないために

関連記事

  1. 不動産基礎知識

    差し押さえ物件とはどのような物件なのか

    住宅ローン返済の滞納を続けていると抵当権が設定されているマイホームの差…

  2. 不動産基礎知識

    住宅ローンの滞納による督促などの通知

    住宅ローンの滞納を行っていると金融機関から支払いの要請などの通知が来る…

  3. 不動産基礎知識

    抵当権に基づく競売申立ては実は簡単

    マイホームを建てるために住宅ローンを借り入れると、通常は土地と建物の登…

  4. 不動産基礎知識

    住宅ローン返済の形!! デュエットとは?

    家は、本来夫婦で協力し合って手に入れるものでしょう。つまり夫婦の共同作…

  5. 不動産基礎知識

    不動産売却での失敗は避けたい! ~家をすぐに売却したい場合~

    急な海外転勤や何らかの理由ですぐに家を売却したい場合などは、早々ある事…

  6. 不動産基礎知識

    家を売る際の名義変更について ~その一般的な流れと複雑な手続き~

    家を売る場合や購入あるいは相続、譲渡などで不動産の持ち主が変わったとき…

おすすめ記事

おすすめ記事2

特集記事

アーカイブ

  1. 離婚と不動産

    離婚する際に家のローンの連帯保証人を解消する方法とは
  2. 債務整理

    住宅ローンの返済中に連帯債務者の持分が売却対象となったら
  3. 債務整理

    競売物件の倉庫、その中の残置物は誰の所有になるか?
  4. 不動産基礎知識

    不動産競売の流れと入札の方法
  5. 任意売却

    任意売却を進めるうえで必要な「契約と書類の書式」
PAGE TOP