競売において行われる現況調査とは何か、また現況調査の実施のされかたから何が
分かるかということと、報告書の閲覧方法などについて少し触れてみたいと思います。
■競売と現況調査
裁判所は、競売物件所有者に競売決定通知書を送付したあとに、現状調査に関わる通知書を送ります。そののち裁判所職員で執行官と呼ばれる人と、不動産鑑定士による現況調査が行われることになります。この現況調査は拒否できるものではありません。たとえ開錠しなくても在宅でない場合でも調査は実施されるのです。
場合によっては、裁判所が必要と認めた場合には警察官の随行もあり得ます。それほど強い法的強制力を持ったものがこの現況調査になります。
強くこれを拒否したり抵抗したりすると、随行した警察官から法的に取り締まられることもあります。
■現況調査の実態
いうまでもない事ですが、現況調査とは競売になる物件、競売基準価額の算定が目的ですので、不動産鑑定士の同行が基本的に認められています。
実態は住宅の場合は屋内外の写真撮影に始まり、居住している人の把握にいたるまでかなり細かく調べられます。
例えば居住している人の人数、所有者確認から構造物の築年数や、修理必要個所の特定や、構造物に付随するものも調べられます(納屋などがあればその中も調べられることになる場合が殆どです)。
先ほども触れましたが、必要と執行官が判断した場合は強制開錠してでも、執り行われるのが現況調査です。
■現況調査の結果はどうなるのか
執行官と不動産鑑定士(競売基準価額の算定は鑑定士が行います)で、調査した内容は裁判所に報告され、その内容をもとに裁判所は競売基準価額を決め買受可能価額が決定されるのです。
さて、競売に参加されようとする人には、どの様にすればその内容に触れることが出来るのでしょうか。
■現況調査の内容や確認の仕方
一番簡単に調査内容を確認するには、俗に言われている三点セット(物件明細書・現況調査報告書・評価書)をBITと呼ばれるインターネットで、確認することが誰にでも閲覧可能になっていますので、確認することが出来ます。
これ以外にも直接裁判所に出向き書類を閲覧することも可能です。
■まとめ
競売における現況調査報告書は裁判所の職員である執行官によって作成されます。
執行官は直接競売になる物件におもむき、調査し必要に応じて聞き取りなど行い、これを作成します。しかし、この書類だけをもってその競売になった物件の全てが分かるわけではありません。あくまで参考資料の一つと考えるのが妥当です。
競売は、一般に市場価格より安価に不動産・動産を入手する方法としては有益かも知れませんが、有形・無形のリスクが存在することを充分理解し、参加することが必要です。
そのリスクを回避する方法で一番頼りになるのは、やはり多くの競売物件などを手掛けたことある不動産会社を通して参加する方法が確実ではないでしょうか。経験と参加実績などを参考に、より良い不動産会社とお取引することが一番のリスク回避の方法と思います。
競売に関することや不動産の投資のことなら全ておまかせ、ご相談も「アブローズ」までご一報ください。