日銀主導の低金利政策が続くなか、都心ではマンションを始め不動産価格も2012年辺りから上昇傾向を続けています。このような中で「頭金0円でマイホームを購入」とか「家賃と同額の返済で夢のマイホーム」という不動産業者の営業トークも良く聞かれますが、住宅ローンとはいえども借金であることに変わりはありません。住宅ローンのリスクをしっかり考えて賢く利用をしましょう。
■住宅ローンのリスク
住宅ローンを利用して借入を行った以上は返済しなければいけません。住宅ローンのリスクとは、将来において発生可能性がある返済不能となる事象のことです。住宅ローンのリスクとして大きなものは、次が考えられます。
・金利上昇リスク
・収入減リスク
・ライフプランリスク
・担保価値リスク
なお、借入時点における借入過多などは、借入時点で排除可能な問題点であることからここでは外しております。
■リスクコントロールを考える
リスクが把握出来たら、その対策を取ることで安心感は高まります。上記で挙げたリスクについて考えてみましょう。
・金利上昇リスク
変動金利タイプでローン返済を行う場合、低金利が続いている時だからこそ金利が上昇したときのことを考えておかなければいけません。金利が上昇するとは思ってなかったということは全く理由になりません。
長期の借入を行うのであれば金利上昇リスクは必ず織り込む必要があります。最低でもリーマンショックが発生した2008年前後の金利を適用した場合のシミュレーションも行って返済可能かどうかを検討しておきましょう。
・収入減リスク
夫婦の収入合算による借入を行ったもののいずれかが退職せざるを得なくなってしまったり、ケガや病気などによる長期療養、リストラされたりなど長い返済期間では何が起こるか分かりません。収入が減ってしまえばローン返済は苦しくなりますが、返済は毎月続きます。返済額を減らすか、収入減に備えた保険を利用するなどして備えましょう。
・ライフプランリスク
離婚、子供の進学、転勤などライフプランに影響を与えるイベントの発生は起こりうるものです。賃貸に供した時の家賃水準や、学資保険の利用など発生が予見されるライフイベントに対する備えを検討しておきましょう。
・担保価値リスク
建物は基本的に新築が一番高くて後は減価していきます。万が一、マイホームを売却したらローンの残債は完納できるのかなどを確認しておきましょう。頭金の設定の検討にも役立ちます
■リスクに備えることが大切
リスクを恐れてばかりでは、マイホームは持てません。大切なのはリスクの把握と対策です。それでも想定を上回る事象が発生する可能性はゼロではありません。
ローンの返済が困難になってきたら、滞納をしてしまう前に金融機関などに相談をしましょう。売却を検討する場合には任意売却の専門家にも相談をしてみましょう。早めの対応がきっと良い方向に向かうこととなるのは間違いありません。