債務整理

債権者による競売と税務署による公売の優劣

住宅ローンを滞納などで、借金の為に競売に掛けられる場合と、税金などの滞納により税務署から公売に掛けられる場合があります。競売と公売の優先度と、競売における配当金と税金の優先度についても紹介します。

競売と公売の違いは債権者の違い

住宅ローンが支払われなくなると、銀行などが貸したお金の回収の為に、やむなく競売に掛けることがあります。同じように税金の未払いなどで税金の回収を行う為に、税務署などが債権者となって公売を行う場合もあります。

どちらもお金の回収の為に不動産を売却する事によって、貸したお金や税金の支払いに充てる為の最終的な手段になっています。裁判所が実行する「競売」と、税務署が実行する「公売」の違いがあるのです。

競売か公売かは申請の時期で決定

競売の場合でも、税金の滞納で不動産を差押えられた場合は、金融機関が住宅ローンを借り入れた人に対して、一括返済を求める場合がありますが、お金を借りた人が一括で返済する可能性は少ないので、やむなく競売や公売に掛けられる場合があるのです。

公売の場合は、税務署などが税金の回収の為に実行するものですが、ある程度の猶予期間を設けて最終的な手段として、「公売」に踏み切ります。「競売」か「公売」かは、先に申請した方に優先度があります。

滞納した税金の支払い義務

お金を借りる事によって、自宅まで競売などで手放したにもかかわらず、自己破産する事になっても、税金の支払いの義務は残ってしまいます。仮に、公売の為の差押えの場合でも、税金の支払いがなければ差押えは解除されません。どちらにしても、税金の支払いは、減額や免除が認められても、原則として支払い義務は残るのです。

競売による配当の順位

競売になる理由のほとんどが、住宅ローンの支払いが出来なくなった事によります。つまり、借金の滞納が原因となるのです。競売は、裁判所により入札によって購入者を決定して、その代金を複数の債権者に対して優先順位を設けています。

1.競売の執行に関する諸々の費用
2.公租公課となる税金の支払い
3.抵当権等によって担保される債権
 ※公租公課の法定納期限等以前の登記の場合は、公租公課よりも優先する。
4.優先権のない一般の私債権(個人や民間の借財)

まとめ

債権者による競売と税務署による公売の優劣と題しましたが、簡単に言うと権利の執行は、早い者勝ちと言う事です。競売における税金の回収も、登記の時期によって優先度が変わります。結果がどうであれ、税金の支払いの義務は残ります。税金は税務署だけでなく、地方自治体の住民税の不払いでも、公売の為の差押えをする場合もあります。

競売に関する事や不動産の事なら全ておまかせ、ご相談も「アブローズ」までご一報を下さい。

ピックアップ記事

  1. 不動産の投資で不労所得生活を始めていくために考えること
  2. 在宅ローンの老後破産リスクは任意売却で回避しよう
  3. 後妻の子の相続における取り扱い
  4. マイホームを手放すことになってしまったら
  5. 住宅ローンによる隠れ貧乏にならないために

関連記事

  1. 債務整理

    競売を停止することはできるのか?

    競売することが決まったことを停止させることはできるのでしょうか?また、…

  2. 債務整理

    家賃を滞納した借主が債務整理を行った場合の対応

    賃貸管理を行う上で「家賃を滞納する」事は、経営上は、頭をかかえる問題で…

  3. 債務整理

    競売物件明け渡しにおける「猶予制度」

    競売物件は第三者に落札されましたが、ある一定の条件を満たせば明け渡しを…

  4. 債務整理

    競売の物件獲得における代行業者への手数料の相場

    競売でマイホームを買いたい人や、不動産投資物件として獲得したいと考える…

  5. 債務整理

    督促状の納期限とペナルティについて

    ローンの返済や税金の納付などが設定された期限を超えてしまうと債権者や国…

  6. 債務整理

    債務整理における積立金の意義と返金のケース

    債務整理のなかで任意整理を弁護士等に依頼すると、積立金を要請されるケー…

おすすめ記事

おすすめ記事2

特集記事

アーカイブ

  1. 離婚と不動産

    離婚時における、親名義となる家の処遇について
  2. 相続

    相続した土地・建物を売却するなら3年10カ月以内がお得
  3. 任意売却

    競売時における、連帯保証人との関係
  4. 任意売却

    任意売却における問題点には何があるのか
  5. 不動産基礎知識

    不動産投資において見通しを持つことの重要性
PAGE TOP