区分マンションは管理組合によって、管理費や組合費が管理されています。ところが、競売に出される物件は、管理費を滞納している可能性が大きいと思われます。では、このマンションに滞納された管理は誰が支払うのか紹介しましょう。
マンションの管理費は住民の義務
管理費には、共有する部分の管理に必要な修繕や大がかりな修繕の積立金などが含まれています。入り口や玄関、ロビー、エントランス、廊下や階段、屋上やゴミ置き場、エレベーターや駐車場などなどが共有で使用する部分となるので、使用する人数に対して公平に割り当てられ、住人(又は所有者)である組合員の全員から徴収する費用なのです。
その他の集会や議会などで、使用される事もあります。マンションンの住人が快適に暮らす為の必要経費と言えます。
マンションに対する区分所有法
共同で区分所有する集合住宅(区分マンション)の場合は、「建物の区分所有等に関する法律」によって、債権や債務に関する規定事項が定められています。略して「区分所有法」においては、競売にも関係する以下の法律が「マンション法」と呼ばれる事もあり、民法の特別法として定めたものに属します。
区分所有法第7条を要約すると
マンションの共有する部分においては、区分された領域以外にも付属物(家財道具や専用の設備を動産として)を含んだものを、所有者が持っている債務の全てにあてはまります。
一方、管理組合は管理費用の性質上から、債権としての役割がある為、区分マンションの所有者は、それらを含めて自己の所有する財産です。つまり、マンション管理費用も債務としての所有物の一部として認められています。
区分所有法第8条を要約すると
例えば、区分マンションの所有者が住宅ローンだけでなく、組合員あるいは所有者全員に課せられた管理費用を滞納した場合の費用も、債権の一部と認定しているので、マンションを競売で売却したとしても、前所有者の債権として競売で所有者が変わったとしても、滞納した管理費の支払いは継承されるものとなっています。
管理費の滞納分の時効について
マンションの管理費について、実際に裁判事例がありました。最高裁判所の判決では「マンション管理費などの債権は、5年の短期消滅時効によって消滅する」となっています(2004年の判例)。
これは本来であれば、「マンション管理費などの債権は10年の短期消滅時効によって消滅する」とする条文があったのにも関わらず、最高裁が5年と認めた為に、以来マンションの管理費については5年の時効が適用されています。
ただし、マンションの管理者である債権者によって、債務者が時効によって負債を逃れる手段を防ぐ為に、「時効の中断」という対応を取る事で、時効を中断させる事が出来るので、負債義務は残るのです。
競売の区分マンションを落札する注意点
このような滞納債務の有無や金額などは、競売に参加する為の3点セットである物件明細書と現況調査報告書や評価書によって、マンション管理費の滞納分の提示が確認できるようになっています。ただし、執行官が調査した時点で滞納額が確定していない場合もあるので、負担が増える可能性が大きいのです。
まとめ
結果的に、マンションの管理費の滞納分は競売物件の債権として、落札した新しい所有者が負担する可能性があるので、情報を正確に把握する事や法律や競売に詳しい専門家に依頼する事が、安全な取引につながるのです。
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