競売物件の投資やマイホームを手に入れる手段として、競売での入札に参加する人が増えてきています。そこで気になるのが値段の決め方です。安く手に入れたいと思うならば、価格決定に関係する競売評価額と売却基準価額の違いや、買受可能価額について知っておくとよいでしょう。
競売評価額の考え方
競売の仕組みから考えると、多数の入札者による競争によって購入者が決まります。そのほとんどが安く入手する目的の人です。だからと言って不当に低額で売却される事を防止するのが、入札を開催する裁判所の務めです。つまり、安く買いたい人と安く買いたたかれない為の裁判所の取引で成り立っています。
ただし、競売物件には管理の行き届かない幽霊屋敷のような物件も存在するので、適正な価格で売却される事が前提にあり、「一定の額以上の価額での入札」ができるように正しく評価する必要がありました。
何故通常の評価より安いのか
競売の性質から考えると、債務により通常の生活ができていない為に、その住宅などの管理が行き届かず、設備などの不備や破損状態がある事も珍しい事ではないので、購入するリスクなどが評価の対象に加味されています。
評価の基準
競売には、評価の為の「最低価格を算出する基礎」が必要です。それが競売の評価額になります。その方法としては、通常の評価額に対して、先ほどのリスクを減額する事で競売の評価額を導きだします。
減価の対象
1.物件所有者の協力がないので取引の障害となる
2.所有者の意思に反する取引に抵抗感がある
3.購入希望者が事前に物件に立ち入る事ができない
4.実際の測量とのズレがある
5.隠れた瑕疵があっても購入者が責任を負う
6.現況調査後から引き渡しに至るまで占有把握ができない
7.マンションの場合は滞納管理費等があり競売期間中に増額していく
8.物件明細書の記載は確定的ではないので将来的に法的な変更もあり得る
9.保証金の必要と、残金納付においては1カ月以内に全額納付が必須
10.占有者の対応は購入者がする事になる 等々
売却基準価額制度で執り行う
以上の事から踏まえて、競売の評価方法は市場価格のおおむね7割程度となっています。執行裁判所は、評価人による評価を参考にして「最低売却価額」を決めます。この価額以下では売却できない事を定めています。
その決め方としては、売却基準価額に対して「20%減」が最低売却価額となっています。これを正式には、「買受可能価額」として決めているのです。
競売の評価額は通常の価格から減額した値段として3割程度を差し引いており、それを裁判所が参考にして決定したのが「売却基準価額」なので、場合によっては「競売の評価額=売却基準価額」もあり得ます。
そこから「最低売却価額」の2割減を踏まえると、最も安い購入額は市場価格の70%と査定価額の80%で、全体から導くとおよそ56%以上で「買受可能価額」を求める事が可能です。入札なので実際には、経費などを検討して購入価格を決めているため安く購入できるとは限らないわけです。
まとめ
競売の入札で参考にすべき値段としては「競売の評価額」ではなく、入札における裁判所が提示した「売却基準価額」であり、減額された買受可能価額から経費などをプラスして入札額を決めなければ安く購入する事はできないので、競売を専門とする業者のサポートが必要です。
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