債務整理

住宅ローンの滞納による督促と催告の意味

住宅ローンを滞納しているとやがて督促状の送付を受けるなどして、その後、催告などの段階を経て競売へと手続きが進んでいきます。
督促と催告はいずれも債務履行を要請するものではありますが、住宅ローンの滞納を始めとする民間における債務不履行と税金滞納などを始めとする行政における債務不履行で使用される場合では意味合いが異なることをご存知でしょうか。

LP_banner_02

■督促と催告
民間のケースでは、住宅ローンなどを滞納していると金融機関から督促状が送付されるなどして、督促を受けることになります。この督促は支払いを催促するためのものであり、内容も柔らかい文書になっています。
しかし、この督促によっても返済や対応をしない場合には催告書といって、厳しい内容の文書が内容証明郵便によって送られてきます。
一方、行政のケースでは、税金などを滞納していると行政機関から督促状の送付の前に催告書が送られてきます。この催告書の内容は軽いもので法的効力が認められず、催告書の後に送られてくる督促状に強い法的効力があります。

■督促の法的効力の内容
住宅ローンの滞納によって行われる督促ですが、法的効力が無いという訳ではありません。督促状の送付に当たり債権者である金融機関などは裁判所に支払督促の申立てを行っています。したがって督促状を受け取ってから2週間以内に異議申し立てをしないと債務者は期限の利益の喪失を認めたことになり、一括返済の義務が生じることになります。しかし、債務者の財産の差し押さえの実行には更なる申立てが必要となるため催告を間で行うことになるのです。
一方、行政による督促状の送付は法律で定められたものであり、受け取った債務者が納付を行わなければ、行政は差し押さえを行うことが可能となります。

■住宅ローンの滞納による督促から競売実行まで
住宅ローンの滞納を行うと督促状の後に催告書が債務者に送られ、それでも債務者からの対応が無い場合には金融機関などの債権者は抵当権の実行を申し立てて競売が開始されることになります。
行政による督促と異なり、民間の督促はまだ差し押さえを受ける状態にまでは至りませんので、可能であればこの段階で返済又は金融機関と対応策の相談を行いましょう。催告書が送付される段階になると競売開始まであと僅かしか時間が残されていないことになります。
まだ、競売の回避には間に合いますが出来ることは限られていきます。マイホームを手放さない選択が難しくなっていきますので、早い対応が望まれます。もし、マイホームを手放すことがやむを得ないということでしたら、任意売却という方法がありますが、任意売却も時間があるほうが有利に話を進められますので、いずれにせよ早い対応を心掛けてください。

LP_banner_02

ピックアップ記事

  1. 住宅ローンによる隠れ貧乏にならないために
  2. マイホームを手放すことになってしまったら
  3. 後妻の子の相続における取り扱い
  4. 実は厳しい税金滞納への対応
  5. 賃貸経営を行うのに宅建の資格は必要?

関連記事

  1. 債務整理

    債務名義を取得するための裁判とは何か

    強制執行によって抵当権の設定が無い不動産を競売にかけるためには、債務名…

  2. 債務整理

    競売における抵当権の内容と効力

    競売とは、住宅ローンの支払いができなくなった為に、金融機関や保証会社が…

  3. 債務整理

    日常をどん底までに突き落とす多重債務とは?

    多重債務者となってしまうと、返済が思うよう行かなくなり返済の催促を受け…

  4. 債務整理

    競売物件に住む賃借人の権利

    賃貸物件に住んでいて、その物件が競売によって落札されたら賃借人はすぐに…

  5. 債務整理

    競売で落札した物件に占有者がいたら!?

    競売物件の入札に参加をして無事に所有権を取得できました。ですが、以前の…

  6. 債務整理

    競売開始!! その後とるべき方策

    人の居住の場であり、憩いの場である家が何らかの事情によってローン返済が…

おすすめ記事

おすすめ記事2

特集記事

アーカイブ

  1. 任意売却

    一般的な不動産売却と任意売却の違いで、査定額に違いは生じるのか?
  2. 任意売却

    知っておきたい任意売却に必要な書類あれこれ
  3. 任意売却

    住宅ローンが払えないときの「任意売却」 ~新しいスタートをきるためのメリット~
  4. 任意売却

    任意売却の売買契約書で注意すべき条項
  5. 任意売却

    不動産の売却時の固定資産税精算金の仕訳
PAGE TOP