相続

遺産相続でトラブルが起こらないための基本的な手順を紹介

テレビなどで目にする遺産相続の紛争は、どこか他人事のように思われがちですが、実際トラブルになるケースは少なくありません。そういった揉め事を起こさず円満に進めるにはどのような手続きが必要になってくるのでしょうか?

■遺言の確認

相続で最初に確認しなければいけないのは遺言の有無です。遺言の種類には自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言というものがあります。

自筆証書遺言…遺言者本人が筆を執り全文を作成し、押印して保管する遺言です。費用がかからず手軽に作成することができます。

公正証書遺言…公正役場で遺言を作ってもらい、保管まで請け負ってもらう遺言です。偽造や改ざんの心配もなく不備の心配もありません。

秘密証書遺言…公証役場に被相続人が書いた遺言を持ち込み、公証人と証人に本人が作成したものであることを証明し、保管してもらう方法です。内容を秘密にできることと遺言書の紛失を防ぐ利点がありますが、不備により無効となる可能性もあります。

■法定相続人の確定

遺言がなかった場合は法定相続分で相続は行われることになります。それには誰が相続人かということを明確にしなければなりません。相続人を確定させるためには、亡くなられた方の戸籍の調査(出生した時から死亡した時までの一連の戸籍・除籍・改製原戸籍謄本)が必要になります。

■相続財産を調査する

相続人が確認出来たら被相続人の遺産の調査をしていきます。預金通帳から預貯金を、固定資産税の支払いをしていれば市区町村に問い合わせをして相続財産を調べていきます。

■被相続人の所得税の準確定申告

所得税は一年間に得られた所得を翌年の2月16日から3月15日までの期間に申告・納税しますが、被相続人が死亡した場合、その年の1月から死亡日までに確定した所得と税額を、相続の開始があったことを知った日から4か月以内に相続人が確定申告を行わなければなりません。

■相続の承認または放棄を行う

相続が始まったら、遺産を相続するか放棄するか本人の意思で決めることができます。放棄する場合は3か月設けられた熟考期間内に手続きを済ませなくてはならないので注意しましょう。

■遺産相続で相続人が複数いた場合の手続きの進め方

①遺言により遺産分割する
自筆証書遺言、秘密証書遺言の場合は家庭裁判所で検認を行ってもらう必要があります。公正証書遺言は最寄りの公証役場にて遺言の確認を取ります。
検認後は遺言書に沿って相続手続きを進めていきます。

②遺産分割協議により遺産分割する
遺言書がない場合、相続人が全員で遺産の分配方法を決める話し合いのことを遺産分割協議と呼びます。話し合いの後にトラブルが発生しないように遺産分割協議書という全員の合意書を作成します。

■遺留分減殺請求

遺書の意向や死因贈与などにより、一部の相続人が財産をもらえなかったといった状況を防ぐため、相続人の権利を保護する制度を遺留分といいます。遺留分減殺請求とは遺留分を侵されている分の相続財産を請求することをいいます。期限は相続が始まったのを知ってから1年になります。

■法務局で相続登記する

相続人同士でのトラブルを未然に防ぐために相続登記をします。相続登記は義務ではありません。ですが、遺産分割協議で法廷と異なる不動産相続を行った場合、不動産を売る・担保にして銀行から融資を受けるなどの時、自分の不動産と主張することができないため登記は必ず行いましょう。

■相続税の確定申告する

近年、基礎控除額が大幅に引き下げられたことにより多くの方が相続税とは無縁とは言えなくなりました。相続税は算出が複雑なため、個人の計算で相続税が0円になっていると考えるのは危ういので専門の税理士に相談するのがよいでしょう。

相続税の申告は被相続人が死亡したと知った日の翌日から、10か月以内に行わなければならないため申告漏れに気を付けましょう。

■まとめ

大まかに相続に必要な手続きを説明してきましたがいかがでしたでしょうか?ご葬儀のあとは相続の手続き以外にも期日内に済ませなければならない必要な手続きがたくさんありご家庭内だけで解決するのは大変だと思います。

不動産に関する相続でお困りのことがありましたら、株式会社アブローズまでご相談ください。

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