相続

住宅ローンと登記名義の不一致で夫婦間でも贈与税が発生

夫婦で家計を賄っていると、財産の境界が曖昧になってくるのはある程度仕方がないことだと思います。しかし、国税庁にとってはそのような事情は関係ないことですから、気付かないうちに贈与税が発生してしまったということが無いように住宅ローンと名義についてはしっかりと対応をしておきましょう。

LP_banner_02

■夫婦間での贈与
夫婦の間で贈与税が常に発生するとしたらどうでしょう。夫が働いて収入を得ており、妻は専業主婦である場合には、日々の生活に際して必要な費用などを夫が妻に対して財産を贈与しており、これに課税がされるということになっていしまいます。これでは生活が成り立ちません。実は夫婦間の財産贈与については課税対象となるものとならないものがあります。家族間では扶養する義務がありますから、収入のある夫が収入のない妻や子供の生活費を負担する場合には贈与税の対象とはなりません。このことは国税庁のホームページにもQ&Aで見解が出されています。夫が妻を、親が子供を養うための生活費、親が子供への教育費の贈与については課税の対象とならないのです。

■住宅の所有に関する夫婦間での贈与税発生の可能性
住宅の名義については、生活費の贈与と見做されていないために、贈与があった場合には贈与税の対象となります。住宅ローンの名義と登記の所有権割合には注意しましょう。例えば頭金を夫名義で支払い、住宅ローンの名義も夫名義で払い、建物の登記が夫婦でそれぞれ2分の1を所有するような場合には夫から妻への贈与であると判定され、贈与税が課税される可能性が高いです。また、夫名義でローンを組んだにも関わらず返済を妻の収入で行っている場合には妻から夫への贈与であると判定される可能性が高いです。

■夫婦間で贈与と判定されない場合
婚姻期間が20年以上の夫婦間においては、居住用不動産又は居住用不動産を購入する目的で金銭の贈与があった場合、最高2000万円まで控除を受けることができるという特例があります。この他に基礎控除として110万円が認められていますので、2110万円までの控除が受けられることになります。この制度が利用できるのであれば、控除額の範囲内において頭金の支払いを行った者と住宅ローンの名義者での金銭の割合と登記簿の所有権登記の割合が異なっても贈与税が課税されることはありません。

■万が一、贈与税が課税されてしまったら
知らなかったとはいえ、購入資金の拠出分と登記簿の所有者名義の割合が異なることで贈与税が課税されてしまった場合で支払いの原資が無い場合には、一度任意売却の専門家に相談するという方法があります。何らかの良いアドバイスが受けられるかもしれませんので是非検討してみてください。

LP_banner_02

ピックアップ記事

  1. 不動産売却における委任状取り扱い説明書
  2. 在宅ローンの老後破産リスクは任意売却で回避しよう
  3. 賃貸不動産の経営管理を安易に考えてはいけません!
  4. 不動産投資による不労所得を得るための仕掛け作りとリスク
  5. 不動産売却の時に重要な登記費用について

関連記事

  1. 相続

    相続した不動産の売却で譲渡所得の節税を考える

    相続した不動産の使い道に困る場合があると思います。相続前の生活拠点を変…

  2. 相続

    未支給年金への課税は相続税か所得税か

    相続発生後に受領する年金に対する課税については、相続税となるのか、所得…

  3. 相続

    相続において良く取沙汰される問題点とは

    相続は予期せず発生することや、色々な思惑なども交錯することから親族間で…

  4. 相続

    遺産相続の基本的な割合を知る

    相続が発生した場合、その遺産の分配方法はそれぞれですが、大きく分けて法…

  5. 相続

    離婚が相続に与える影響について

    夫婦とは、他人同士が婚姻という契約に基づいて構築された関係であり、婚姻…

  6. 相続

    相続においてよく取り沙汰される問題点とは、の続編(解決の糸口)

    前回2017年の記事で、不動産を相続による分割や分けられない財産の難し…

おすすめ記事

おすすめ記事2

特集記事

アーカイブ

  1. 任意売却

    知っておきたい任意売却に必要な書類あれこれ
  2. 債務整理

    競売における3つの価格
  3. 債務整理

    競売申立と代位による相続登記の関係
  4. 離婚と不動産

    離婚の際、名義人の配偶者は家のローンの連帯保証人から外れることはできるのか?
  5. 債務整理

    競売の入札における代理人に対する委任状
PAGE TOP