相続

相続発生! 納税義務者は誰になる?

”相続”が発生した際、納税義務者となるのは、相続(又は遺贈)により、財産を取得した個人ですが、これは法律上何種類にも分けられています。今回は、相続と納税義務者について詳しくお話していきます。

■納税義務者の種類は4つある。

◎居住無制限納税義務者
相続発生時、相続人が日本国内に居住している場合、日本人、外国人を問わず該当します。
相続した日本国内にある財産、国外にある財産を問わず、全ての財産に、相続税が課されます。

◎非居住無制限納税義務者
日本国内に住所を有さない場合、相続した財産のうち日本国内にある財産には相続税が課されます。但し、下記1と2に該当する場合は、相続した財産の全てに対し、相続税が課せられます。

1:日本国籍を有する個人。(相続発生の開始前5年以内に日本国内に住所を有していたことがある場合のみ該当)

2:相続発生時に、日本国籍を有しない個人が、相続発生時に日本国内に住所を有していた場合に限る。

◎制限納税義務者
相続発生時に相続人が日本国内に住所を有さない者。

1:相続人が日本国籍を有するが、相続、及び被相続人が5年以上日本国内に住所を有していない場合。

2:相続人が日本国籍を有しないが、被相続人が相続発生時に日本国内に住所を有していなかった場合。

上記の条件それぞれに対し、日本国内の相続財産に対して、相続税が課せられます。

◎特定納税義務者
”相続”をしなかった者で、相続時精算課税の適用を受ける財産を”贈与”により取得していた場合、相続時精算課税の適用を受けた財産に相続税が課せられます。

■相続時精算課税とは

相続時精算課税とは贈与税を減額することができる制度です。贈与額の総額から2,500万円まで非課税になります。但し、それを超えた分は20%の贈与税が課税されます。

相続時精算課税を選択した場合の贈与税を求める式は下記です。

(課税価格-特別控除額)× 税率=納付税額

◎生前贈与との相違点
相続税をできるだけ節約するための制度に、”生前贈与”があります。これには、受贈者一人当たり、年間110万円を超えると、10%から55%の贈与税がかかってしまうという特徴があります。

贈与税の課税を避けようとすると、毎年110万円までしか贈与できないため、時間が長くかかるという欠点があります。短期間に多くの財産を贈与するためには、相続時精算課税制度を利用すると良いでしょう。

◎相続時精算課税制度の注意点
相続時精算課税制度は、被相続人の生前に贈与した財産を、相続時に再計算する制度です。実は、贈与された財産にも課税される制度です。つまり、節税効果は期待できますが、相続税がなくなるわけではないということです。

■まとめ

今回は『相続発生!納税義務者は誰になる?』と題して、お送りしてきました。
相続と納税義務者、そして相続時精算課税制度について理解が深まれば幸いです。

不動産のことに関して何か疑問やお困りごとがありましたら、お気軽に「アブローズ」までご相談ください。

ピックアップ記事

  1. 督促状の納期限とペナルティについて
  2. 不動産売却の時に重要な登記費用について
  3. 賃貸経営を行うのに宅建の資格は必要?
  4. 住宅ローンによる隠れ貧乏にならないために
  5. 後妻の子の相続における取り扱い

関連記事

  1. 相続

    相続における裁判所の関わり

    相続が発生した結果、納めるべき相続税があればそれは国税となりますので、…

  2. 相続

    相続に関してやるべきことには何があるのか

    思いがけない相続発生で慌ててしまうことは多いと思います。相続発生した後…

  3. 相続

    相続における準確定申告とは何か

    相続が発生した場合には、相続税を納税する必要があるかどうかを調べるため…

  4. 相続

    相続における裁判所の関わり

    相続が発生した結果、納めるべき相続税があればそれは国税となりますので、…

  5. 相続

    離婚が相続に与える影響について

    夫婦とは、他人同士が婚姻という契約に基づいて構築された関係であり、婚姻…

  6. 相続

    非課税枠を利用して出来る限り現金を相続する方法

    相続では被相続人の遺産総額を算出して一定額を超えると相続税の課税対象と…

おすすめ記事

おすすめ記事2

特集記事

アーカイブ

  1. 債務整理

    個人再生による債務整理とは?
  2. 離婚と不動産

    離婚するとき家はどうするのか?
  3. 債務整理

    競売における債権者が注意すべき事は
  4. 債務整理

    競売の買受人と原始取得
  5. 不動産基礎知識

    住宅ローンを多めに借りることは可能なのか
PAGE TOP