相続

離婚した相手との間の子供は相続の権利を持つのか

やむを得ず離婚をした場合に元配偶者との間の子供の相続権はどうなるのでしょうか。また、親権の有無によって取扱が変わるのでしょうか。

■子供は第一順位の相続人
離婚した元配偶者は離婚した時点で他人となり相続する権利を持ちませんが、子供は離婚していても子供なので相続する権利を持ちます。仮に被相続人が再婚をしていて、再婚相手との間に子供がいたとしても何らその権利を失うことはありません。
ただし、相続の権利は実子について認められるものであり、例えば被相続人の元配偶者の連れ子であった場合には養子縁組をしていないと相続権が認められません。

■被相続人の遺産が債務過多だったら
被相続人の負債も相続の対象となります。もし、元配偶者との間の子供が未成年であり、被相続人が親権を持っていた場合にどうなるのでしょうか。子が成人であれば、相続放棄又は限定承認を裁判所に申し立てれば良いのですが、未成年であるとそういう訳にもいきません。被相続人の親権は、死亡したからといって親である元配偶者に移るという訳ではないからです。

このようなときには家庭裁判所へ未成年後見人の選任の申立をしなければいけません。これにより後見人に選任されたものが相続の手続きを行うということになります。若しくは実際の親である元配偶者が裁判所に親権者変更の申立を行い、親権者を自分に変更するという方法もあります。これにより親権に基づき相続の手続きが行えるようになります。

■ローンの残った家が相続の対象となったら
離婚や相続で良く問題となるのが家などの不動産についてです。もし、離婚の際の協議によって慰謝料として家は貰うこととなったが、離婚後の家の名義もローンの支払いも元配偶者が続けており、ローンが残った状態で相続となった場合にはどうなるでしょうか。

もちろん融資において団体信用生命保険に加入していれば、死亡時にローン返済となり残債はなくなるのですが、フラット35では生命保険の加入は任意であるため、加入していないケースが絶対にない訳ではありません。いずれにせよ債務を相続してローンの返済を続けるか、一括返済するかをしないと、やがて競売等となり家から出ていかなければならなくなります。相続放棄をしても同じことです。このような場合には、自宅の売却も選択肢のひとつとして対応策を考える必要があります。

■相続問題でお困りのときは
このように相続では、考えていなかったことや気づかなかった問題点が出てくることがあります。複雑で法律的な問題もありますので、お困りの際には抱え込まないで専門家にお話しを聞いてみてください。きっと良いアドバイスが得られることと思います。

ピックアップ記事

  1. 不動産の投資で不労所得生活を始めていくために考えること
  2. 競売における売却基準価額とは何か
  3. 不動産売却の時に重要な登記費用について
  4. 住宅ローンによる隠れ貧乏にならないために
  5. 後妻の子の相続における取り扱い

関連記事

  1. 相続

    事情によって変わる相続における子供の取り扱い

    相続発生において、特段遺書などが無い場合には、誰が遺産を相続するのかを…

  2. 相続

    相続における障害者控除の内容と控除額

    障害を持つ方は一般的に経済力に厳しい状況であり、親族の援助などに頼らざ…

  3. 相続

    相続税での申告期限を超えそうな場合の対処法

    相続は、相続の発生を知ったときから、10カ月の間に相続税の申告と納付を…

  4. 相続

    相続の範囲と3親等の関係性での誤解について

    相続の問題で、よく質問されるのが、「何親等までが相続が可能でしょうか」…

  5. 相続

    相続分譲渡とは?

    相続というのはいつの日か誰にでも必ず訪れます。その時のためにいろいろと…

  6. 相続

    相続の遺産がわからないときにどうすれば良いか

    相続は人の死を契機にして開始されることになります。本来であれば生前から…

おすすめ記事

おすすめ記事2

特集記事

アーカイブ

  1. 債務整理

    競売物件明け渡しにおける「猶予制度」
  2. 任意売却

    任意売却において、引っ越し費用は誰が負担する?
  3. 離婚と不動産

    離婚調停中に家を売る為の方法
  4. 任意売却

    競売物件で重要な資料となる物件明細書とはどいうもの?
  5. 債務整理

    入札側も債務者側も知っておくと役立つ、裁判所が行う競売のプロセス
PAGE TOP