アパートやマンションの賃貸経営をする上で、管理会社の役割は必要なものとなっています。しかし、トラブルや管理面での義務はどこまで決められているのでしょうか。はたして管理会社の義務とは何なのかを紹介していきましょう。
■トラブルに対する管理会社の役割
アパートやマンションの賃貸経営をおこなっていると様々なトラブルが起こってきます。もっともやっかいなのは、入居者同士のいざこざで暴力事件にまで発展しかねない事でしょう。
傷害事件に発展しないまでも、生活スタイルの違いや常識の相違によって、隣人トラブルはあとを絶ちません。騒音やごみ処理の問題が特に多いようです。管理会社に管理を委託している場合の役割はどこまであるのでしょうか。
アパートの場合だと大家と不動産会社の委託において、特に決まりがあるわけではないようです。しかし、アパートの利用率によって不動産会社の収入が違ってくる場合には、契約になくても入居者に対するトラブルも間に入った話し合いをもって、できる限りの対応をする事もあります。
マンションの組合員と管理会社の場合ですと、決められた管理業務にたいしての対応はあるものの入居者間のトラブルには、管理業務に支障をきたす場合には、対応してくれるようです。
◎マンション入居者のルールに従う
管理会社が入居者に対して仲裁をすることはありません。入居者の管理組合に対して報告したり、「マンション入居者のルール」に関する告知を入居者全員に行うことは行います。義務という対象にはならないようです。入居者のトラブルに関しては、入居者で構成する「管理組合」によって事態の改善に向けて理事会や総会などによって話し合いを持つのが対処の方法です。
管理会社の役割については、入居者の共有部分に対する管理において生活に支障のないようにする事を目的としています。トラブルに対しては、管理会社は、管理組合に対しての支援を行う役割があるようです。
室内などの専有部分では、騒音などの「ルール違反」があきらとなる場合には、共有部分の管理とほぼ同等の扱いとして、「管理組合への報告」をおこなったり、「入居者全員への注意」を行ったり管理組合への議題を提案する事が役割としてあります。
■善管注意義務の範囲について
善管注意義務は、契約の取引において一般的・客観的に要求される程度の注意を行う事となっています。民法では、「自己の財産におけると同一の注意をなす義務」「自己のためにすると同一の注意をなす義務」として重大な過失がない限りは、損害賠償の責任を負う事はないとしており、注意の度合いは比較的軽いと判断しています。
注意事項か過失なのかの線引きによるもので専門家でなければ判別は難しいのですが、常識の範囲での注意義務として捉えています。大家と管理会社の間では信頼関係が重要だという事です。特定の取り決めがない限り、法的な責任を追及するのは困難であり、義務に対する範囲の追求を行うよりも、管理会社に対する要望を役割として実行するように「大家と管理会社」や「マンションの組合員と管理会社」の間の取り決めや役割分担をするほうが、トラブルなどの対する対応がすみやかに対処できるのではないでしょうか。
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