不動産基礎知識

競売における保管金とは何か?

競売に限らず裁判所でお金が絡む場合に保管金や供託金という言葉が出てきます。あまり普段では使用しない言葉のためイメージしにくい人も多いと思います。今回は特に競売に深いかかわりのある保管金について説明します。

LP_banner_02

保管金とは何か?
保管金とは実は読んで字の如く、裁判所で保管しているお金のことです。保管金の主なものとしては、契約保証金や入札保証金などが該当し、裁判所が預かり管理するお金です。
ただし、裁判所は銀行などの金融機関ではありませんので、理由も無くお金を預けたり、自分の好きな金額を預けたりということは基本的に出来ません。保管金となる理由があるから、裁判所は預かるのです。

競売における保管金
競売において保管金が出てくるところは大きく3つあります。ひとつは競売の申立人が裁判所に払う予納金です。次に入札保証金です。そして最後に落札者による落札金額の支払いの場面です。
競売の申立人が払う予納金は、管轄する裁判所によって多少異なりますが、競売による請求債権額によって金額が決まっています。
この予納金は競売を行うために利用されるお金であり、評価書の取得や現況調査のために必要があれば予納金から支払われることになります。
したがって予納金は保管金として裁判所で管理されますが、預託金ではありませんので使用されていくことで減っていきます。このため足らなくなると追加で予納金を支払うケースもあります。
入札保証金は、競売物件の買受希望者が入札に当たって支払うお金です。入札保証金は、最低売却価格の2割となっており、裁判所は保管金として入札保証金を預かります。
入札保証金は、落札できれば落札代金の一部に充当され、落札できなかった場合には返還されることになっています。なお、落札したにも関わらず残りの代金を支払わなかったり買受を辞退したりした場合には保管金として預けられていた保証金は没収されることになります。
落札金額の支払いでは、残代金の振込を行って、裁判所から保管金受領証書を受け取ったら支払い自体は完了となります。

落札者が決まったら保管金の性格が変わる
競売における主な保管金は以上のようになりますが、入札保証金は落札者が決まると保管金の性格が変わります。落札者は残代金を支払わないと保管金が没収されてしまうのですから、ここで競売を取り下げるのが難しいというのはこのようなことが理由のひとつとなっています。
保管金としての予納金も競売手続きが進むにつれて減っていきますので、競売を取り下げて貰うのであれば、早いに越したことはありません。

LP_banner_02

ピックアップ記事

  1. 督促状の納期限とペナルティについて
  2. マイホームを手放すことになってしまったら
  3. 不動産の売却に年齢制限はある?
  4. 不動産売却における委任状取り扱い説明書
  5. 不動産の投資で不労所得生活を始めていくために考えること

関連記事

  1. 不動産基礎知識

    競売による買受人の引き渡しでの注意点

    競売物件を入札によって落札したからと言って安心する事はできません。何故…

  2. 不動産基礎知識

    不動産投資と支払うべき税金の確認と節税

    他の投資に比べると比較的安定した収入が見込める不動産投資ですが、税金の…

  3. 不動産基礎知識

    住宅ローンで家を購入すぐに住まないときは?

    住宅ローンで家を購入した直後に単身赴任が決まったため、所有者がその家に…

  4. 不動産基礎知識

    無理をしてまでマイホームは買わない方がいい

    マイホームを買うことは大変素晴らしいことだと思います。自分自身の資産で…

  5. 不動産基礎知識

    住宅をDIYでリフォームするときのローンの活用法

    住宅を自分でリフォームする「DIY」が人気です。しかし、その場合、「リ…

  6. 不動産基礎知識

    不動産競売が行われることの意味について考える

    不動産の競売による落札価格は、一般市場における相場価格の7~8割程度の…

おすすめ記事

おすすめ記事2

特集記事

アーカイブ

  1. 相続

    相続の裁判における要件事実とは何か
  2. 離婚と不動産

    夫婦が離婚後、ローン返済中の家に住み続けるには名義変更が必要に!?
  3. 離婚と不動産

    離婚で家を追い出される! 住宅ローンをどうすればいいのか?
  4. 不動産基礎知識

    住宅ローンを利用した資金計画の立て方
  5. 賃貸オーナー様

    賃貸管理事務の仕事内容とは
PAGE TOP