任意売却

裁判所による競売と税務署による公売との違い

住宅ローンの返済が出来なくなってしまうと金融機関は最終的に抵当権を実行して地方裁判所に競売の申立てを行い強制的にマイホームが売却されてしまいます。
また、納税の滞納を続けていると税務署などによってマイホームを差し押さえられてしまい公売によって強制的に売却されてしまうことがあります。似たような制度ですが、どのような違いがあるのでしょうか。

競売と公売
裁判所による不動産競売とは、債権者が抵当権などの担保権を実行したり裁判によって債務名義を取得したりすることで裁判所に競売の申立てが行われることで裁判所が行う不動産の売却のことです。
そもそも競売とは売却を目的として提示した品物を最も高い金額を提示した購入希望者に売却するために購入希望者同士で購入金額を競わせることを言います。
裁判所によって行われる競売も一定期間売却対象となる不動産が公開され、購入を希望する者が自由に購入を希望する金額を入札して最高価格で入札したものが買い受けることになります。
一方、公売とは税金を滞納していると税務署などによって不動産などが差し押さえられ、裁判所による不動産競売と同様に購入希望者に入札によって購入金額を競わせて最も高い金額を提示した者に売却を行います。
したがって公売という名称ではありますが、売却の方法として競売であるということが出来ます。

競売と公売の違い
不動産競売と公売は似たようなものではありますが、異なる点がいくつかあります。
不動産競売は裁判所によって行われ、公売は税務署など税金を徴収する機関が行います。
競売は債権の内容は様々ですが、公売では税金の滞納が原因となります。
税金の滞納によって差し押さえられる財産は不動産に限らず、時計、自動車のほか給与なども対象となります。
また、売却の方法も競売では期間入札が基本となりますが、公売では期間入札のほか期日入札、インターネット公売なども行われています。
また、不動産競売の原因となった債務は自己破産によって返済義務が消滅しますが、公売の原因となっている税金の滞納は自己破産しても納税義務は消滅しません。
公売による売却金額を滞納している税金に充当してもなお未納となる税金がある場合には自己破産をしたとしても税務署などから納税を求められることになります。

任意売却への影響
税金の滞納によって税務署などに不動産を差し押さえられてしまった場合、税務署などとの交渉によって差押えを解除してもらわないと任意売却することが出来なくなります。
また、自己破産によっても納税義務は消滅しませんので、住宅ローンの返済が苦しくなった場合には税金の納税を優先するほうが良いといえるでしょう。

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