事故物件は一般に成立する価格水準から、かなり下回らなければ買う人が現れません。競売では事故物件が取り扱われることが多いとも言われます。それは何故なのでしょう。
■事故物件とは
事故物件とは、不動産の売買や賃貸において、その目的となる土地や建物の中で何らかの原因によって居住者等が死亡した物件のことをいいます。しかし、死亡の理由が病死や自然死のものは事故物件に含まれないことが多いです。一方で自然死であっても発見までに時間を要し、腐敗が進んでしまったために事故物件と同様の扱いをするものもあるなど、事故物件とそうでない物件との境界は曖昧であり判断基準は明確にはなっていません。
■事故物件は売買価格に影響を与える
事故物件は不動産の売買価格に影響を与えます。それは競売であっても変わりません。自殺や他殺、不審死や変死、火災による焼死、孤独死で死後腐敗が進んだなどの事故物件は、心理的瑕疵があるということで、買主に対してその事実を告知する義務があります。競売物件においては、事故物件であることが事前に分かっていれば物件調書などにその事実が記載されるが、内見などは不可能なため写真等で状況の判断を行うしかないため落札金額は相当に安くなってしまうのです。
■事故物件が多いといわれる競売
実際のところの数は定かではありませんが、競売で取扱われる物件には事故物件が多いといわれます。これは住宅ローンの支払いなどが出来ず競売になってしまったことにより所有者が世を儚んで自殺してしまうケースや孤独死などで長い間発見されず、ローンや税金などの未払いが発生しているために競売にかけられるケースなどがあるためです。また、事後的に事故物件になってしまうケースもあります。これは落札者が決まった後にいよいよ自宅を明け渡さなければならない事態となったとき、退去先も決まっていないことなどから精神的に追い込まれてしまって自殺をしてしまうなどのケースです。
■追い込まれてしまう前に何らかの対策を
人は追い込まれてしまうと、冷静な判断が出来なくなってしまいます。住宅ローンの滞納が自殺にまでつながっていくのはあまりにも悲しいことです。そのようなことになる前に是非とも金融機関などに相談に行かれることをお勧めします。また、自宅を売却してローンの残債を減らすということであれば、競売になる前に任意売却という方法があります。任意売却であれば競売よりも高く売却することが可能です。しかし、専門的な知識や交渉などが必要となりますので、任意売却に強い会社にまずはご相談するのが良いと思います。