住宅購入には物件を担保にして住宅ローンを借りる場合が多く、金融機関など (債権者) は抵当権を設定します。事業資金を借りる際にも、不動産を担保にすることがあります。それで、返済が滞れば債権者は裁判所へ申立てをして強制的に競売処分になります。
今回は不動産の競売について調べていきましょう。
不動産競売の流れ
住宅ローンが滞納すると、債権者は抵当権などの担保権の実行により裁判所へ不動産差押え申立てをします。それによって競売申立てから売却までの手続きが進められます。
競売の申し立て
債権者は、地方裁判所に対象不動産の抵当証券や判決書、裁判所で作成した和解調書、調停調書、公正証書など債務名義の差し押さえ権利を証明する公的文書を揃えて、申し立てを行います。
裁判所の開始決定
債権者が提出した書類を確認して問題がなければ、不動産の競売開始決定を下されて不動産が差し押さえられますので、勝手に処分や売却ができなくなります。債権者や債務者及び所有者に開始決定通知が送付されます。
現況調査と価格評価
執行官は不動産形状や占有物、権利関係状況などを調査し、現況調査報告書を提出します。不動産鑑定士による不動産の評価額、環境概要、個別要因、評価額算出根拠などが記載された評価書が提出されます。これに基づき、裁判所は買受人の受け継ぐ権利や売却条件の物件明細書を作成します。この書類は自由に誰でも閲覧できます。
入札と売却手続き
競売手続きは次の通りです。
【売却基準価格の決定】
買受を申しでる場合の価格は、売却基準価格の8割を下回らない価格で決定されます。
【不動産売却方法等の公告】
裁判所は、以下の内容で新聞広告などにより一般公開します。
・当該不動産が売却されることの公開
・売却基準価格の表示
・入札期間の告示
・入札結果確認日の開札期日告示
開札前日までは競売の取りやめが可能です。
【開札期日】
・希望者は、期間中に入札金額を届け出る。
・裁判所は開札期日中に入札金額を確認する。
・最高額の買受人に適性判断をして売却を許可します。
買受人の代金納付
買受申出人は、指定の期限までに代金を現金一括払いで納付します。代金が納付されると、不動産の所有権は買受人に登記移転されます。
配当手続き
不動産の買受代金が納付されたら、裁判所が代金を債権者に分配手続きを行います。
【債務計算書の提出】
債権者は指定された期間内に、債権計算書を提出します。
【配当期日】
裁判所は債権計算書に基づいて、競売にかかった費用や税金など、買受代金の優先順位で分配します。
競売の参加条件
入札買受は誰でも参加資格がありますが、次の者は資格がありません。
競売物件の債務者
債権者の金銭回収が無事にできるよう、債務者が競売物件を買い戻すことができないようにしています。
裁判所の制限資格がない者
農地競売など、市町村の農業委員会等が発行する買受適格証明書資格を裁判所が認めた者は参加できます。
適正な実施を妨げる行為をした者
入札妨害など、適正な実施を妨げる行為をした者は競売に参加できません。
競売物件調べにかかせないこと
全ての競売物件で必ず公開される書類があります。
現況調査報告書
現況調査報告書は物件の現状についてまとめたもので、敷地データや公簿との相違点、不動産の占有者氏名、占有状況などが記述されています。
評価書
評価書は、物件築年数や状態、権利関係、物件所在環境や、物件の詳細内容など、適正価格を評価し不動産鑑定士が作成します。
物件明細書
物件明細書には、買受人が引き受けることとなる不動産の権利関係等に関する情報が記載されています。
まとめ
初心者で、不動産の競売物件を落札したい方は、沢山の書類整理集めや手続などがあります。またトラブルなどを避ける為にも、プロの入札代理業者に相談・委託して行うことをお勧めします。
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